2008年7月 7日 (月)

地下鉄(メトロ)に乗って

地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫) 出版社/著者からの内容紹介
永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。


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浅田次郎舐めてました…il||li _| ̄|○ il||li
面白すぎる。読み始めからノンストップで面白すぎる!
全体的にまったりとした空気なのに、所々の緊張感が比類無いです。
どうしても場の手駒全てを見通せる読み手側としては、主人公の動きに「なんでそう動くかな」とか「もっと上手く立ち回れよ」とか思いがちなものですが、そういう無駄な憤りみたいな物が一切無い。かと言って主人公が賢すぎて「何でこう動いてるのかサッパリわからない」みたいな置いてきぼり感も全く生まれず。読み手の歩みにピッタリ寄り添うようで、時たまいい意味で裏切ってくれる感じがたまりません(笑)

宮部みゆきの凡そを制覇したので次は浅田次郎行きたいと思います!
あとDVD借りてきます。この世界をもっと深く知りたい。

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The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day「ジョジョ」20周年を記念して、乙一渾身の小説化!!
「週刊少年ジャンプ」「ウルトラジャンプ」誌上で絶大な人気を誇る荒木飛呂彦氏の長期連載『ジョジョの奇妙な冒険』を稀代の若手作家乙一氏が構想・執筆に2000日以上をかけ、渾身の小説化を実現!!

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マンガのノベライズとしてこれほど完成度の高いものも珍しいと思う。
本自体の作りも凝っていて、スタンドとして作中に登場する本を彷彿させるデザインが更に読み手のワクワク感を煽ってくれます。裏表紙の手の跡は全てを読んだ人なら相当感慨が湧くのではないでしょうか。
とまあ、作品自体の素晴らしさは本当なんですが、自分の好みの話をしてしまうと、どうにもこうにもイマイチ…
これは書き手の問題じゃなく完璧に個人の好みですが、乙一氏の書く底の方に漫然と漂う暗ーーーい感じがどうにも得意じゃないようで、過去に数冊読みましたが何読んでも読後に暗い気持ちになってしまいます…。でも読み物としては本当にお勧め!(笑)どっちだ
乙一氏が好きな人もそうだけど、荒木ファンにも充分楽しめる内容になっています。正直アラを探しながら読んだ意地の悪い自分が居ますが、アラは全くありませんでした。少なくとも自分が違和感に感じるような部分は全く見当たりませんでした。
マンガのノベライズはその漫画自体に愛が溢れている作家が書くと、作者公認の同人誌みたいな独特の味わいがあって面白いですね。

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2008年4月21日 (月)

紀元前1万年

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まだ人間も野獣も自然のままに暮らし、マンモスも生息していた、紀元前一万年。人類が創造力と信じる力を手にし、人間としての道を歩み始めたこの時代に、なおもサーベルタイガーや有史以前の野獣たちと戦い、旅を続けるひとりの若者(スティーブン・ストレイト)がいた。彼の旅の目的は、失われた文明を見つけ、愛する女性(カミーラ・ベル)を悪の帝王から奪還することだった――。壮大な自然風景をバックに、巧みなCG技術で復元させたマンモスやピラミッドなどが目を見張るアドベンチャー大作。

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ストーリーが死ぬほどお約束的でかなりビックリしました…。
以下完璧なネタバレしますが、

恋人を奪われた男が恋人を取り戻しに行き、その過程で他の大勢の人も助けます。
恋人は危うく死にかけますが、神の力によって生き返りめでたしめでたし。

この話をもんのすごいCGと財力でうっちゃってます。
それだけのテクノロジーがあればまぁなんとかなるものですね。
あとあれだけ脇を黒で固めてるくせに、あくまでも主役民族が白なのも気になりました。
でもワーナーなんだよな、確か。
そう思うと道理でストーリーは殺し合い中心なのに血も暴力描写も少なすぎると。・・・納得です。

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東亰異聞

東亰異聞

内容(「BOOK」データベースより)
帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる…。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。

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昔、梶原にき氏の漫画で読んだ時にはなんだか不合理で納得できないだけの内容に思えてあまり好きになれなかったんですが、小野不由美の文章で読むと狐につままれたまま知らず知らずのうちに納得させられるような…、尖る気で目を見張っていた角を丸ごと包まれてしまったような不思議な所に落ち着きました。
漫画読んだ時は、人間の起こすトリックと物の怪の類が同居したら話に収拾つかなくなるだけじゃないかと思っていた事も、活字で読むとどうにも上手い所に落とされた感触です。
僕が小野不由美が好きだからというのも勿論あると思いますが、ミステリと奇怪が同居する世界が苦手な方にも是非とも読んで貰いたい。
決して本格派ではないけども、本格派にはない哀愁と目には見えない怖さがある一冊です。

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2008年4月14日 (月)

クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3) 【内容情報】(「BOOK」データベースより)

恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナースと出会う。普通と特別、正常と異常…境界線をさ迷う明日香がたどり着いた場所はどこか?悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた、第134回芥川賞候補作。


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社会の底にだいぶ近く、本当であれば重苦しいであろう話をかなりライトにサッパリと書いております。
めちゃくちゃ読みやすくて、ノリとテンポの良さでぐいぐいと進めていく力強さがこういう話を途中で挫折せずに読むパワーになります。
映画は見たい見たいと思う間に終わって結局未見だったんですが、小説がこれだけテンポいいんだからさぞかし映像に向いているんじゃないでしょうか。DVD出たら見てみたい一品です。
実は僕は松尾スズキ氏の書く物を読むのは初めてだったんですが、どこから植えつけられた知識か、松尾さんの作品はおっそろしく暗くてドロドロしていて哲学的だと聞いていたのでちょっと身構えていた部分もあったのですが、この本に関して言えば、その対極にあるような本でした。書き方も内容も、登場人物の喋り方もコミカルで作品自体のテーマは重いのに重いものを読む上での面倒くささを全く感じさせません。
冗談にならない事を冗談っぽく言える人は凄い。

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2008年3月18日 (火)

禁じられた楽園

禁じられた楽園 内容(「BOOK」データベースより)
大学生平口捷は、同級生で世界的な天才美術家烏山響一から招待を受けた。聖地・熊野の大自然の中に作られた巨大な“野外美術館”へと―。現代の語り部が贈る、めくるめく幻想ホラー超大作。

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ちょっと予定調和が多い気はしました。ホラージャンルでも小説ならもう少し理屈で怖がらせてくれた方がより怖かった気がします。
文章の面白さや、次は何が来るだろうというワクワク感は最後まで損なわれることなく読めました。
ただ複線を貼りすぎて、蓋をあけてみたら「あれ?これだけ?」と思うような物もしばしば。
恩田さんのホラーは小野さんのような圧倒的な恐怖というモチーフではないのかもしれない。

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劫尽童女

劫尽童女 (光文社文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、七年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに!激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが―。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か。


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いろいろと謎は残る終わり方だったのが少々残念ではあるけども、ストーリー展開の上手さとスピード感はさすが恩田さんでした。
田中芳樹さんにも思いましたが、恩田さんは人と違う圧倒的な力を持ってしまった主人公がその力を使って周囲を鎮めていく(その先に待っているのは不幸な事も多いですが)みたいなストーリーが多いですね。
犬の活躍がなかなか微妙で…多いような、かといって重要な局面にはいないような…。「犬大好きにはたまらない一冊です」的な解説が書いてありましたが、犬大好きだからこそ、もう少しウェイトを置いて欲しかった気もします。

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真相 (下)―“切り裂きジャック”は誰なのか?

真相 (下)―“切り裂きジャック”は誰なのか? 出版社/著者からの内容紹介
コーンウェルが真犯人を突きとめた!

7億円の巨費と現代科学を駆使して迷宮入りの難事件を解明する。

切り裂きジャックとは、1888年にロンドンの下町イースト・エンドで娼婦を惨殺した連続殺人犯のあだ名である。現在までさまざまな容疑者が指摘されているが、未解決に終わっている。コーンウェルは初めてのノンフィクションにも得意の鋭い推理力を発揮し、ジャックの正体をヴィクトリア朝の画家だと指摘した。彼の絵画を収集して絵の具を分析し、また彼が出したと推定される手紙の紙質を調査して直接証拠の発見に努力している。この事件に賭けたコーンウェルの凄まじい情熱をひしひしと感じる。――仁賀克雄(犯罪研究家)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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相変わらず読むのに気合がいる本です(笑)
徹底的にシッカート一人をマークして綴られているので、自分を含めて切り裂きジャック事件の概要をきちんと知らない人が読むと、シッカート以外の選択肢はどれくらいあるのだろう?と少し疑問が残ります。
他にも無数に出ている切り裂きジャック関係の本だと、何人かいる容疑者を挙げてその中から一人を選び出すやり方をしているらしいので、そういうのを読んだあとに読めば良かったかもしれない。
そしてまたもや洋書を翻訳した文章に慣れない自分がいます(苦笑)
やはり翻訳本は馴染めないのだろうか。何か読みやすい(日本語に違和感の少ない)翻訳本があったらどなたか教えてください。

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東京DOLL

東京DOLL (講談社文庫) マスター・オブ・ザ・ゲーム=MGと呼ばれる天才ゲームクリエイター。背中に濃紺の翼をもつ少女ヨリが彼の孤独を変えてゆく―。青く透明なビルと虚ろさが混在する東京湾岸―石田衣良がハードにシャープに描くパーフェクトな人形に恋をした男の物語。

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いろいろなところで☆5中、2~3を軒並み獲得している石田さん初の問題作。皆様の意見は間違っていないと実感致しました。
どうしたんだろう、石田さん。TVに出すぎて一般の感覚と業界の感覚の区別がつかなくなったんだろうか。
とにかくブランド物の描写が多い。女の子のエロさが安っぽい。常に街はピカピカしている。世の中には面白いことが溢れているはずなのになぜか空しさや焦燥感がつきまとう主人公。3拍子どころか4拍子そろってアイタタタ…な感想です。
ともかく、一時期流行った、お金はある。望めば女も手に入る。やろうと思えばたいがいの自由は利く。けれど気持ちが乗らないからやらない。ないしは、今はまだその時が来ていないから傍観するという『その気になればなんでもできる人生の余裕を持った主人公』はそろそろ潮時ではないかと思います。
一番伝えたかった(であろうと思われる)恋愛の部分も、常に最後まで曖昧で、なんだか頻繁に描かれるSEX描写だけが最後まで印象に残りました。
石田さんは男女のエロを含む濃厚な小説を書くよりも、ティーンズの甘じょっぱい(笑)青春を書いてる話の方が好みでした。

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2008年2月25日 (月)

蒲生邸事件

蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) 内容(「BOOK」データベースより)
平河町一番ホテルに宿泊していた受験生・尾崎孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。危うく焼死するところを、謎の男に助けられた孝史は、その男とともに昭和十一年二月二十六日にタイムスリップ―雪の降りしきる帝都では、今まさに二・二六事件が起きようとしていた。その日、蒲生邸では蒲生陸軍大将が自決。三宅坂一帯は叛乱軍に占領され…。この叛乱の結末、これからの昭和の戦争への悲惨な歴史を知る孝史たちにできることはないのか。“運命の四日間”に交錯する人々の命運!当代随一のストーリーテラーが時を超えて描く、ミステリー巨編。

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宮部さん久しぶりです。ワクワクしながら読みました。まだ未読の作品が残っている事を純粋に嬉しがれる作者は偉大です(笑)
古本屋で300円で置いてあったので(しかもミステリ好きには憧れの出版社カッパノベル!)即購入しました。
クロスファイアや鳩笛荘等、人間の中で特殊な力を持ってしまった人の生き方、その人に絡んだ人の生き方、巻き込まれてしまった人の生き方etc…、ファンタジーなのにどこか「ありそう…」と思わせる文章力に圧巻です。宮部氏の作品には長文にも関わらず一気に読んでしまえる面白さが確実にあります。

ふきと主人公は現世で是非とも会って欲しかった。けれど、話としてはあれで落ちているし良いんだと思います。泣けるが…。
黒井さんのストーリーが別口でもしあったなら是非それも読んでみたい。また違った角度から蒲生邸の人々と2・26事件を覗いてみたいものです。

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