2015年7月 9日 (木)

セリヌンティウスの舟

411lnf1bepl 内容(「BOOK」データベースより)

大時化の海の遭難事故によって、信頼の強い絆で結ばれた六人の仲間。そのなかの一人、米村美月が、青酸カリを呷って自殺した。遺された五人は、彼女の自殺 に不自然な点を見つけ、美月の死に隠された謎について、推理を始める。お互いを信じること、信じ抜くことを、たったひとつのルールとして―。メロスの友の 懊悩を描く、美しき「本格」の論理。
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「誰も疑わない」ことを前提としたミステリー。珍しい手法だと思います。

あらすじ読んだ時は安楽椅子探偵物好きなので、結構わくわくしたんですが、読んでみると登場人物達の心情が物語の肝なあまり、くどいほど何度も「俺たちの絆はこういうものだから」「絆の為にもこの謎は解かなければいけない」って謎を解く作業自体に理屈をつけるんですが、これが本当にくどい…。
「うやむやじゃ気になるから謎を解こう」って単純なやつでもういいじゃん、先に進もうよって何度思ったか。
絆の方向性もかなり特殊すぎて共感できないまま最後まで走られた感が強かったです。

あと良い歳した大人がずっと女の子達を「あーちゃん」「きーちゃん」「みっちゃん」って呼び合ってるのが、読み進めていくに従ってちょっと不気味になってきました…。

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2015年5月 8日 (金)

球体の蛇

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内容(「BOOK」データベースより)

              1992年秋。17歳だった私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主人の乙太郎さんと娘のナオ。奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場 の火事が原因で亡くなっていた。どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。そして、彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸に仕舞い込ん だままでいる。乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷で、私は死んだサヨによく似た女性に出会う。彼女に強く惹かれた私は、夜ごとその屋敷の床下 に潜り込み、老主人と彼女の情事を盗み聞きするようになるのだが…。呑み込んだ嘘は、一生吐き出すことは出来ない―。青春のきらめきと痛み、そして人生の 光と陰をも浮き彫りにした、極上の物語。

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誰もが誰かのために小さな嘘をついて、それが予期せぬ結果を生んだ。
苦しくておぞましい真実を知るくらいなら、幸せな嘘を聞いていた方がましなのだろうか?それとも、どんなに苦しくても真実は知るべきなのだろうか?
話し全体に暗さはあるけど独特な読後感。

道尾さん作品3冊目です。ソロモンの犬とラットマン読んでますが感想書き忘れました(笑)
文体や登場人物の感情表現が美しく、内容自体はドロドロしているんですが、煙に撒かれたようにエグみ無く読めます。

ただ、道夫作品って評価されてる意味はなんとなくわかるんだけど、読むと(今の自分には)どれも扱うテーマがそんなに興味が無いので、作者の伝えたい事の多分半分も汲み取れないで終わっていると思います。
多分これは作品の質でなく作者と自分の相性の悪さだな・・・。

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2015年5月 6日 (水)

チヨ子

Index内容(「BOOK」データベースより)

 五年前に使われたきりであちこち古びてしまったピンクのウサギの着ぐるみ。大学生の「わたし」がアルバイトでそれをかぶって中から外を覗くと、周囲の人は ぬいぐるみやロボットに変わり―(「チヨ子」)。表題作を含め、超常現象を題材にした珠玉のホラー&ファンタジー五編を収録。個人短編集に未収録 の傑作ばかりを選りすぐり、いきなり文庫化した贅沢な一冊。

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短編集だし、まぁこんなもんだよね。
多分宮部さんに対しての信頼感からハードルを上げすぎてしまった感はありました。
ミステリ好きなので「いしまくら」は結構好きでした。冒頭の事件説明がなかなか長くてしっかり書かれているので、短編にせずもっと大きな話しに巻き込んで中編ミステリとかにしても楽しめる題材だと思います。
犯人が見つかる切欠の出来事が、ちょっと簡単すぎたのが勿体無い。
切ない系ホラーとしては「オモチャ」も結構好きでした。
やり場の無い寂しさをヒシヒシと感じるお話しです。
叔父さんの本意はどこにあったんだろう。彼の余生は幸せなものだったんだろうか。

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2015年1月 9日 (金)

ゲーム

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内容(「BOOK」データベースより)

 敏腕の投資家で大富豪のニコラスは、48歳の誕生日、久しぶりに会った弟コンラッドからCRSと書かれたカードをプレゼントされる。もの凄い体験ができる というのだ。CRSの担当者は商品は“ゲーム”だと言う。帰宅したニコラスは、父の投身自殺を再現するかのように、屋敷の前に人が倒れているのを発見す る。だが、これが“ゲーム”の始まりだったのだ…。想像を絶する衝撃と恐怖のサスペンス・スリラー。

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小説で読む限り衝撃は多いけど恐怖は特に見当たりませんでした。
とりあえず主人公が迂闊。
人を出し抜いて生きる商売をしているとは思えないほどに次から次へとひっかかります。引っかかると言うか、こっちに行こう!と思ったらそっちの方向にわき目もふらず一直線でガーーっと走って行くから、茂みの先が急に崖になってても止まれなくて自分から落ちていきます。読者はそれを手助けの出来ない位置でひたすら見ている感じです。(しかも何度落ちても彼は走る勢いを弱めません)
これ勢い重視のストーリーだから映像で見た方がおそらく当たりじゃないかな、と中ほどで思いました(笑) 遅いですね。

ネタバレしますが、
犬にしこたま噛まれた足、着れなくなった高級スーツ、何度も味わわされた恐怖感、絶望感、精神的苦痛etc…これらの代償として弟と、この話しに加担した身近な人物達のこめかみに片っ端から穴を空けていっても、一切やり過ぎでは無い思いますが、いかがでしょうか。

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2014年12月28日 (日)

ファミリーポートレイト

Index


内容紹介

若くて美しい母親と喋ることのできない小さな娘。たった二人の逃避行。
あたしはママを守り、ママはあたしを支配する。

最初の記憶 は五歳のとき。公営住宅の庭を眺めていたあたしにママが言った。「逃げるわよ」。母の名前はマコ、娘の名前はコマコ。老人ばかりが暮らす城塞都市や奇妙な 風習の残る温泉街。逃亡生活の中でコマコは言葉を覚え、物語を知った。そして二人はいつまでも一緒だと信じていた。母娘の逃避行、その結末は。

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桜庭さんはGOSICKを昔読んだことがありますが、ああいったファンタジー色の強いものより、この作品のような現実社会をどうにか生き抜いている人間を書いている話のほうが好みです。

この作品は前半後半で、娘が母を見守る視点と、娘が母を通して現実と向き合う視点にわかれた二部構成の作品です。
その中でもマコの存在をどう読むかでだいぶ印象の変わる話だと思います。
最初、彼女の奔放さや学ばない気質、不幸体質に対してイライラしながら読んでいましたが(苦笑)、彼女の行動に対してのコツを掴んでからはとても魅力的な主人公の一人として読めました。
全体を通しては、主人公のコマコの幼少期から青年期をただひたすら見守る小説であり、母と娘の(主には娘から母への大分一方通行な)愛情を約700Pかけて語る小説でしたが、不思議と読後感は悪くなく、コマコの受動的な生き方も相まってお伽噺の伝記を読んでいるような気持ちになりました。

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2014年11月12日 (水)

インシテミル

Index 内容(「BOOK」データベースより)

「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実 験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。

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結論から先に。
面白かったか面白くなかったかの二択で言ったら、「面白かった」に分類される作品です。
導入の掴みも工夫されていて、読み始めから引き込まれました。
ただ、こういった設定やルールが細かく決まっている小説において、読者がもっとも知りたいであろう部分のストーリー背景などは最後まで読んでもひとつも(少なくとも僕が納得する形ではひとつも)解明されません。

プロフにも書いていますが、僕が元々小説や映画などの物語はストーリーの構成などよりキャラクターのリアリティを重視して読む(見る)タイプなので、総体的に俯瞰で物事を見るタイプの人からすると「どこ見てるんだ、話を読め」って思われるとは思うんですが、いかんせん森よりも木を一本一本観察していきたいタイプなので(笑)、拘る部分が違う方はどうぞスルー下さい(笑)

さて感想。
キャラクター設定は細かくあるようですが、そこに至る経緯や背景が全く描かれていない為、彼らの行動原理が説得力に欠けます。
また、ミステリで言う読者へのひっかけとは別に、さしたる理由もなく登場人物が途中まで読者に見せていた面と物語佳境で見せる面が大きく乖離している(人が数名いる)為、小説全体に対する信頼の置きどころも揺らぎます。
この乖離しているキャラクターの中に主役が含まれているので、視点だった体からいきなり宙に放り出されたようで飲み込むのに少し時間がかかりました。(それこそがこの小説の狙いなのかもしれませんが)
…だとすると放り出された際に出てきた新情報として、主人公と登場人物Aの繋がり方にそれ程の重大性は無く、なぜこの繋がりをギリギリ最後まで読者に隠す必要があったのかが不思議です。
構成がメタミステリなのは解るんですが、その設定自体が最後の大どんでん返し等の伏線でもない為、読者としては立ち位置迷子になりました。

途中まではとてつもなく引き込まれるストーリーだっただけに、色々と雑に処理されていく過程やラストスパート直前からポロポロと出てくる疑問点が心残りな小説でした。
ただ、全体的に「この登場人物は腹が立つ」というのはあっても「この小説は腹が立つ」にはならなかったので、ストーリーへの引き込み勝ちだと思います。

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2013年12月 4日 (水)

七回死んだ男

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内容紹介

              同一人物が連続死!恐るべき殺人の環
殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む少年探偵

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎(ふちがみれいじろう)老人――。「落し穴」を 唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは!時空の不条理を核にした、本格 長編パズラー。
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そもそも図書館で別の作家さんの本を探してて、たまたま横に並んでいたら為、手に取ってあらすじを読んだら引っ張られた作品でした…が、
タイムトラベル物好きです!
中でも設定が面白い。8回も同じ一日をやり直しをして最終決定を決められるなんて。
内容も、ややこしい設定なのに、説明がくどくない。
登場人物の考え方も若いのに相当スマートで、読んでて機転の悪さにイライラすることも少なかったです。
(主人公が殺人の原因解明の為に、何度同じ日を過ごしても直接現場を目撃しようとしない姿勢は謎でしたが 笑)
オチになる切っ掛けも成る程と思える物でした。

起きた事件やそこに至るまでの経緯はシリアスなはずなのに、登場人物皆がどこかコミカルな為誰にも感情移入せず傍観的にサラッと読める面白いミステリでした。

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2013年1月15日 (火)

プリンセス・トヨトミ

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内容(「BOOK」データベースより)

このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。大阪が全停止した。長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。
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トランスセクシュアルと親子の確執と歴史ファンタジーが一つに融合された物語でした。
一つ一つの題材は、それだけでも小説が一冊書けるほどの重めなテーマなのに、全部合わせちゃってるから起きるイベントはだいぶ少なめ。小さいのが2個位と、大きいのが1個。
本自体の厚さはありますが、読み終わった時に「あれ、もう終わり?」と思うほど事件の数は少ないです。
会計検査院の3人よりも大阪の子供たちの動きの方が興味が湧いたから、そちらに視点を大きく置いて欲しかったかな。
最終的に「女は強し」という所に着地するエンディングは好きでした。

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2012年11月14日 (水)

バイオハザード ダムネーション

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内容紹介
西暦2011年、東欧の小国、東スラブ共和国。貧困問題に端を発する独立運動は、一度は女性大統領のスベトラーナ・ベリコバの呼びかけで終焉へと向かいつつあった。しかし、ある時政府が反政府側の自治区へ一方的に侵攻したことをきっかけに独立運動は再開され、東スラブは今や内戦の地と化していた。

生物兵器「B.O.W」が実戦投入された情報を受け、アメリカ合衆国大統領直属エージェントのレオンは東スラブへ単独潜入する。その直後、政府事情によりアメリカは突如東スラブからの撤退を決めるが、レオンは命令を無視して戦場へ身を投じる。それと同じ頃、東スラブの大統領府へ「BSAAから来た」という女性が現れた。「東スラブ内で『プラーガ』が使用されていると報告され、そのための調査に来た」と語るのは、かつてラクーンシティ壊滅事件や南欧の事件で暗躍した謎の女性のエイダだった。

元学校教師であり、反政府勢力の主要メンバーであるバディは独立派の勝利のため、B.O.Wのリッカーを実戦投入する。しかし、凶暴なリッカーは敵味方構わず虐殺する。バディはそんなリッカーを制御するため、ヨーロッパの片田舎やアフリカのキジュジュ自治区で使用された寄生生物のプラーガに手を出す。

3人の運命が交差することにより、事件は思わぬ方向に突き進む。

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バイオハザード ディジェネレーションの続編…になるのかな?
時系列的にはバイオ5とバイオ6の間の話だそうです。
ディジェネの時も思ったけど、作り手によって毎回キャラクターの顔つきが違う(笑)
今回のレオンは6に近くてなかなかオッサン臭い良い味を出していました。もう34歳だしね。
エイダは何故か6より老けてる…

あと映画やらゲームやら新作のたびに吹き替え声優さんが変わってるのは何故なんでしょう。
6の時も思いましたが、日本人に見せる物に英語圏の声優はそれほど重要じゃない(変わっててもわからない)だろうって事か。それとも初期の声優さんが相当値上がりしてるのか。
せめてCG映画同士前回のDGと同じマシュー・マーサー氏にすればよかったのに。
エイダは2や4のサリー・カヒルさんが良かったです。レベッカやクレア、シェリー等女性は高い声が多いバイオハザードの中、高野麗さんかと思うほど低い声出すのはエイダの魅力の一つだったので。

…だんだんただの声フェチのレビューになってきた。

うーんと、ストーリーとしてはあまり…納得できず。

【以下ネタばれ入ります】

休暇返上して嫌々戦場に連れて来られたくせに、自分からしなくていい苦労をわざわざ買って出るのはレオンのいつもの病気ですが、サーシャ(男性)の過去話しをテンション低く聞いている中、そのフィアンセ(女性)の存在を聞いた瞬間からレオンのヤル気が見るからに違う。どこまでいっても女好き(笑)
最終的にはアメリカとロシアが手を組んでB.O.Wもろとも殲滅するんで、レオンさん介入損です。

東スラブの大統領のスベトラーナさんが良い味を出してます。
見た目エイダより年上だと思いますが、エイダと互角かそれ以上に戦える身体能力。女性(熟年)でガチで戦う人はバイオ初です。背中の思わせぶりな火傷跡とか(これについても全く何も語られませんでしたw)まさかエロスもこの方が今回担当しているとは思いませんでした(笑)
マーセナリーズに出てたら絶対使いたいキャラクターNO1です。って言うか6で出してほしい。購入制のキャラクターでも買ってると思う(笑)

あと6で当たり前のように語られていたエイダと副大統領、レオンと大統領の絆について、5と6の間の話だし何か手掛かりあるかな?と思って見ていましたが、特に何も補完されませんでした…。
結局6のファイルに載ってたのだけで関係性を探れと。
せっかく間の話なんだから、人間関係もっと深めようよ。

思うに、制作側はもう何十年もバイオに関わってきている訳で、初期から一般公開されないけど制作部では当たり前にまかり通っている設定だとか人間関係だとか癖だとかそいう裏資料のような物がいっぱいあるんだと思います。
それが把握しきれない位あるのと、あまりに内部では常識として浸透しすぎている事で、一般のファンも普通に知っている情報だと思いこんで近年は作品作りをしている気がする…。
益々登場人物は多くなる一方なんだから、人間関係が超複雑な自覚(笑)をもって制作して欲しい。

アクションとかCGの綺麗さには全く文句無いです。
DGの時のレオンみたいな顔の蒼白さ無かったし(笑)

でもいいかげんクリス主役でも映画作ってくれー。絶対クリスを待ってる人は多いはず!

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2009年9月23日 (水)

間宮兄弟

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  間宮明信と徹信は仲のいい兄弟。それぞれ立派な社会人だが、趣味、価値観、モテなさ加減も一緒のふたりは、仕事以外、ほとんど行動をともにしている。ある日、カレーパーティを企画したふたりは、それぞれちょっと気になる女性を招待する。一方、明信は会社の先輩の離婚に協力を求められ困惑。兄弟ふたりの平和な生活に変化が訪れる…。
   江國香織の同名小説を、森田芳光が映画化。映画やTVで活躍する名バイプレイヤーの佐々木蔵之介とドランクドラゴンの塚地武雄が間宮兄弟に扮している。兄弟離れができない自立しきれない男ふたりの物語は、描き方によっては変人扱いされてしまいそうだが、森田監督は家族を誰よりも大切にする誠実さを全面に出し、ふたりのズレ加減をユーモアの核にして、本作をコミカルなヒューマンドラマに仕上げた。ふたりを取り巻く女性陣、常盤貴子、沢尻エリカ、中島みゆきなどが、キャラクターをしっかり際立たせた好演。しかし、なにより注目してほしいのは、佐々木と塚地。ふたりの明るいキャラクターと相性の良さのおかげで、この映画は心温まる作品になった。


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現実には色んなしがらみや、性格的なゆがみなんかも出てきてこんな風に兄弟揃って仲良く(しかも親子も揃って仲良く)一緒に居られる事なんてなかなか難しいんだろうなー、とは思いますが、だからこそこれは“こうあったら素敵な関係だ”と思える、一種ファンタジーのような世界として見ました。

少年ではなく、ましてや青年からもそろそろ追い立てられ、中年期に突入しかけている兄弟2人が、東京で2人で暮らし常に対話を持ち夜には2人で反省会、休日も寝る時も仲良く一緒の姿を何の抵抗感も無く純粋な少年のように魅せたのは素晴らしいと思います。
この兄弟の関係が気持ち悪いか否かは判断が分かれるかと思いますが、兄弟の居ない僕には憧れとしてうつりました(笑)
大体の趣味趣向は同じなんだけど、微妙な所で好みが分かれたり、兄弟交互に自分の頭の豆知識箱の中から似たような志向のクイズを延々と出し合ったり、兄がビールで弟がコーヒー牛乳を仲良く揃って飲むシーンは平和すぎて笑いがこみ上げます。
ちょっとした恋愛のいざこざも含めて、そんなヒューマンドラマが積み重なって出来ている間宮兄弟。見ている方がダレるかダレないかの絶妙なバランスで進みますが、見終わった後には胸にホカホカした物が残る暖かい映画でした。

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