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2007年5月18日 (金)

理由

理由 内容(「BOOK」データベースより)
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。

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文章の書き方が普段の宮部さんと違い、事件が全部片付いた後にルポルタージュ形式で書かれているのが新鮮でした。
最初はそれに気付かず読んでいて、やけにドキュメンタリーみたいな構成だなぁと戸惑っていたのですが、慣れるとすんなりと面白く読めると思います。

相変わらず宮部作品は読み手をストーリーに惹きつける力は抜群で、物語の鍵を握る人物の一人である綾子が登場する辺りからは色々な箇所に喜怒哀楽しながら怒涛の勢いで読み終わってしまいました。

ただ、(こういうキャラクターは宮部さんの本にはたびたび出てくるのですが)現代日本のとりわけ若い人の持つ感性からはあまり想像がつき難い、昔気質な…良くも悪くも一途だったり頑固だったり夢見がちだったりするキャラクターが今回はことさら多く出てきたので、そこに同調したり思いを馳せてみる事が難しかった事。
もう一つ、これは完全に個人的な感想なのですが、アニメやゲーム・漫画や小説が大好きで育ってきた自分としては、登場人物の一人の考え方で「現実の人間を殺す事は大変なことだが、製作者達がつけたもっともらしい経歴を持つだけのアニメ絵のキャラクターを同じように扱う事は“平気”なこと。スイッチ一つ押せば消えるペラペラな存在」と評した事にはどうにも切ない思いがこみ上げてきました。

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