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2007年9月29日 (土)

レイクサイド

レイクサイド (文春文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
妻は言った。「あたしが殺したのよ」―湖畔の別荘には、夫の愛人の死体が横たわっていた。四組の親子が参加する中学受験の勉強合宿で起きた事件。親たちは子供を守るため自らの手で犯行を隠蔽しようとする。が、事件の周囲には不自然な影が。真相はどこに?そして事件は思わぬ方向に動き出す。傑作ミステリー。

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珍しい方向から始まるミステリでした。
文章力もあるし、複線もきっちり張られているのに登場人物の誰にも魅力を感じないせいで物語りに引き込まれないのは、僕がキャラクターをわりと重視しながら読むタイプだからでしょうか…。
あと子供は時に残酷です。とか子供は大人より実は残酷です。とかを連呼する辺りはちょっと力技かな。
東野さんは映画の手紙以外、小説としては初の着手だったのですが、登場人物の定着からしっかり読み込む為にも白夜行あたりの長編から先に読めばよかったのかも。

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2007年9月28日 (金)

キングダム 見えざる敵

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「キングダム 見えざる敵」(2007年、米)

監督:ピーター・バーグ 製作:マイケル・マン
出演:ジェイミー・フォックス、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン
 
サウジアラビアを舞台に、自爆テロ犯とFBI捜査官の壮絶な死闘を描いた社会派エンターティンメント「キングダム 見えざる敵」。製作は「ヒート」「コラテラル」など骨太な男のドラマに定評のあるマイケル・マン。監督は役者としても活躍するピーター・バーグ。4人のFBI捜査官を演じるのは、捜査官のリーダー・フルーリーにジェイミー・フォックス、法医学調査官メイズにジェニファー・ガーナー、爆発物専門家・サイクスにクリス・クーパー、情報分析官・レビットにジェイソン・ベイトマン。

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色々出来すぎの部分も多いですが、概ね楽しめる映画でした。
銃撃戦が見せ場で、映像としても随分と時間を使って作っていたのですが緊迫感たっぷりで見ていて決して飽きません。
実際治外法権じゃないけども、管轄外の国で調査事があってもこんな対応しかされないんだろうなーと思えたり、主人公側からみて悪人だったテロリスト達にも家族がいて、血の通った人間同士の戦いなんだと思えたり、色々納得できる部分も多かったです。
エンディングは後味が良くなく(悪い意味ではなく面白い上に後味が悪い(苦笑))、第二作目を作る匂いがプンプンしました。

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2007年9月23日 (日)

オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り (新潮文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。

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「ある日どこか島の外から来た人間が島に無いものを置いていく」
この言葉を信じ続けている日比野は登場人物至上一番バカで純粋だと思う。そして読前と読後で一番印象が変わった人物です。端的に言うと好きになりました。
地味ですが日比野を不器用な形で見守る島の警察官小山田との関係が好きです。
本書は著者がこれでもかって程に詰め込んだ伏線が見事で、最後まで読んでようやく理解できる事ばかりでした。最後まで読んでも納得できない事もままあるけども、それが気にならないぐらいにこの世界観は見事です。
ミステリーと言うより現代小説のひとつとして読む方がしっくりくるのではないでしょうか。
デビュー作から「群集心理」と「全体を包む大いなる波」は伊坂作品の特徴だという事がよくわかりました。

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2007年9月18日 (火)

中空

中空 内容(「BOOK」データベースより)
何十年に一度、開花するという竹の花。その撮影のために鳶山と猫田は、大隅半島の南端に近い竹茂村を訪れた。そこは老荘思想を規範に暮らすひなびた七世帯の村だった。村人は二十年前に起きた連続殺人事件の、再来に怯えながら過ごしていた。そして、怖れていた忌まわしい殺人事件が次々と起こる!!閉鎖された村の異質な人間関係の中に潜む犯人とは!?横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した本格ミステリの秀作。

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絶海の孤島と言わないまでも、人里離れた場所にひっそりと7世帯で暮らす村、そこに都会からやってくる客人が二人。ホームズ役は飄々としてつかみ所のない男でワトソン役は自分の足で動き考える女。
……これだけ役者もハコも揃っているのになぜかこの物語には緊迫感が一切ありません。
おそらく、探偵役二人の性格があまりにも突飛なことと、村人にミステリアスな部分が殆ど無いのが原因だと思います。
粗筋を読んで、少々怖めのホラーサスペンス思い描いていたら、いつまでもホラーが来なくて(被害者が首を切られたシーンの回想ですらも、そこはかとなく明るい)いつの間にか終わっていた印象です。
あと久しぶりに最後にポッと出てきた人が犯人という、海外ミステリにわりとあるパターンの小説でした。名前は何度かストーリー中盤でも挙がっているんですが、主人公がその人物のイメージを誤って捕らえていたおかげもあり、最終的にその人が犯人でしたと言われてもあまり納得のいくオチには感じられませんでした。

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2007年9月12日 (水)

Mayu-ココロの星-

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Mayu ココロの星

監督:松浦雅子 出演:平山あや、塩谷瞬、浅田美代子、三浦友和ほか

舞台は札幌。主人公、まゆは21才の女性。ある日、まゆは、胸にしこりがあるのを感じ、病院で検査を受けたところ「乳がん」との診断が。20代の「乳がん」患者は統計上1%にもみたないというのに・・・・。なぜ自分が・・・。まゆは自分の力を信じ、闘病を開始。手術や放射線治療、抗がん剤治療を乗り切り、乳がんの患者会の設立、運営に奔走する。

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平山あやはどんな場面でも柴崎コウと同じ意味での怖さがあるなー…と。

ストーリーは勿論泣けます。これだけ泣ける要素が揃っていて涙が出ない方が凄いです。
特出すべきは男の泣かせ所が上手い!
主人公の事を本気で真剣に考えてくれる男が2名…いや、3名出てくるんですが、1名は途中で脱落するので結果2名出てくるのですが(ややこしい(笑))、その2名ともとても良い場面・タイミングで涙を流すんですよ。
よっし、このシーンは泣くのを堪えられたぞ!って思った次の瞬間、彼等の静かな涙を見せ付けられます。不意打ちです。そりゃ見てるこっちも絶対泣きます(笑)
とにかく、女の子との真剣なデートや結婚を具体的に考えているカップル、あと夫婦が見に行ったら、その後の会話には不自由しない映画だと思います。

余談ですが、札幌は生活している上で標準語とのイントネーション差は殆どないんですが、そこに一生懸命地方感を出そうとしたのか語尾の上げ下げが所々不自然でちょっと笑ってしまいました。

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春を嫌いになった理由

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内容(「BOOK」データベースより)
フリーターの瑞希は、テレビ番組「解決!超能力捜査班」のプロデューサーである叔母の織江から、霊能力者・エステラの通訳を任された。収録日、エステラの霊視通りに行動した番組スタッフは、廃墟ビルから白骨死体を発見する。過去のトラウマから霊能力を毛嫌いしている瑞希は「霊視も死体もヤラセなのでは?」と疑いを抱きつつ、生放送本番に臨むが…。第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞第一作。

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小気味良いテンポで進んでいく会話がとても読みやすく、内容も僕の好きなミステリホラーテイストだったので楽しく読めました。
ストーリーは、現代に生きる主人公の通訳師と霊能力者の話と、中国の奥で生まれ育ち、日本に金を稼ぐ為に密入国してくる兄妹の話に細かく分かれていて、単元ごとに場面が交互に変わります。
最初全く交わる事がなかった二つのストーリーがクライマックスでようやく一つに結ばれる時、この話で最大の恐怖と見せ所がやってきました。
内容もとても面白く、構成もここまで徹底して2点進行なものは珍しくて、終始楽しんで読めました。
1点気になる事を上げるとしたら主人公の内側の性格が圧倒的に悪い!見た目は可愛らしいお嬢さんなのですが、驚くほど意固地で、受け入れられない事実には眼を逸らすだけに留まらずとりあえず心の中で誹謗する。何を見ても終始その姿勢が変わらなかったのは凄いです。

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2007年9月 7日 (金)

SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ

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砂塵が舞う山奥の寂れた寒村。そこでは平清盛(佐藤浩市)率いる赤いいでたちの平家ギャングと、源義経(伊勢谷友介)が指揮する白いいでたちの源氏ギャングが、村に眠ると言い伝えられるお宝を巡って激しく対立していた。そこに1人現れたのは、テンガロンハットで葉巻をふかす流れ者の凄腕・ガンマン(伊藤英明)。果たしてお宝を巡る源平血みどろの闘いに決着は付くのだろうか? そして孤独なガンマンの運命や如何に? 全編英語の台詞による本格的“マカロニウエスタン”な日本映画。

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試写会当たったんで久しぶりに映画の備忘録。
以下は完璧ネタバレします。ご注意下さい。

全体的に救いのない話です。
銃でのアクションが激しいので好きな方はハマると思います。
僕が重点的に楽しんだポイントとしては、香川照之氏の演技力が凄まじいのと、木村佳乃氏のイメージが変わった事と桃井かおり女史が相変わらず男前だった辺りです。

香川さんの演技力は変わらず素晴らしかったです。
自答自問の場面が多いんですが、コミカルかつ動きに無駄が無くて見事でした。
木村さんは最近僕が見ない映画に出ることが多く地上波にあまり顔を見せないせいか、チップスターぐらいでしか見てなかったんですが、僕のイメージだと清楚なお嬢さん役が多いような…今で言うポスト伊東美咲のような、そんなイメージだったのが、タバコは吸うわ脱ぐわ踊るわ色気は凄いわで逆にちょっと好きになりました。
チップスターの時は色気のいの字も考えた事が無い(そういう女優じゃないと)思ってたんだけど…そのギャップが更に良い(笑)
桃井さんは途中の回想シーンで娘役やってるんですが、ライトと化粧と服装の上手さもさることながら、あのぐらいの年齢で娘役をやってもなんとなくまかり通ってしまう空気を纏っていて、さすがは大女優だな…と。あとSK-Ⅱってスゲェ…と。
その大女優に絹ごし豆腐ぶつけるキルビル監督も凄かったです。

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2007年9月 4日 (火)

心とろかすような―マサの事件簿

心とろかすような―マサの事件簿 (創元推理文庫) 出版社/著者からの内容紹介
著者のデビュー長編『パーフェクト・ブルー』で登場したジャーマン・シェパードの老犬マサと蓮見探偵事務所の面々、それに好青年、諸岡進也……お馴染みの人たちが遭遇する五つの事件。本書はそこに登場する様々な人間たちの実像に真っ向から立ち向かおうとする彼らの活躍が、マサの目を通して語られる、ほろ苦くも心優しい宮部ワールド。

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パーフェクト・ブルーの時はそこまで感じなかったのですが、心とろかすようなのマサの可愛さっぷりはもう凄いを通り越して酷いです(笑)
犬好き(こと自分の事ですが)が読んだらジャーマンシェパード飼いたくなります。
あと巻末に宮部氏自身が登場する短編が入っています。宮部さんの作品を数読みましたが、これはどこにも無かった形だったので目新しくてとても面白かったです。
ただ、「運転うまいね。女性にしてはたいしたもんだ」等、宮部作品にたまに見られるこの手の発言はやっぱりちょっと気になります。
作者が女性だけにわざわざこんな事キャラクターに言わせなくてもいいのになぁと思わずにはいられません。
著者の幼少期やOL時代に相当根深く残る事件でもあったんだろうか・・・

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真相 (上)―“切り裂きジャック”は誰なのか?

真相 (上)―“切り裂きジャック”は誰なのか? 出版社/著者からの内容紹介
コーンウェルが真犯人を突きとめた!

7億円の巨費と現代科学を駆使して迷宮入りの難事件を解明する。

切り裂きジャックとは、1888年にロンドンの下町イースト・エンドで娼婦を惨殺した連続殺人犯のあだ名である。現在までさまざまな容疑者が指摘されているが、未解決に終わっている。コーンウェルは初めてのノンフィクションにも得意の鋭い推理力を発揮し、ジャックの正体をヴィクトリア朝の画家だと指摘した。彼の絵画を収集して絵の具を分析し、また彼が出したと推定される手紙の紙質を調査して直接証拠の発見に努力している。この事件に賭けたコーンウェルの凄まじい情熱をひしひしと感じる。――仁賀克雄(犯罪研究家)

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検視官シリーズでおなじみのコーンウェルと相原真理子女史のタッグです。
ジャック・ザ・リッパーは日本の推理小説でも色々な所で扱われる題材で、ミステリ好きにはたまらない匂いがしたのでとりあえず上巻を読んでみました。
時系列がバラバラの書き方をしているのでちょっとわかり辛い所もあるのですが、概ねジャックの(ジャックだとパトリシアが睨んでいる人物の)周辺状況と幼少期の事はわかりました。
下巻に向けでどんどん真相に迫っていくんだろうな。
でもとりあえず今は上巻を読んで少し休みます(笑)。
いっぺんに読むのはちょっとグロテスクな表現も多く、またもともとの事件が女性軽視の根底から始った犯罪だけに性差概無説を支持する自分としては一冊読み終わって良い具合に胸クソが悪くなりました(苦笑)
手元に下巻も揃っているので、少し挿んでからゆっくり読みたいと思います。

因みに上巻だけではまだまだ論拠が揃いません。
世に出てきた容疑者達の中で特に強く謳われている説を真っ向からキッパリと否定している意味ではとても新しい作品だと思いました。

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