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2007年10月30日 (火)

ディスタービア

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製作年:2007/製作国:アメリカ/製作:モンテシト・ピクチャー・カンパニー
カラー/1時間44分/ビスタサイズ/DTS-ES/字幕翻訳:栗原とみ子
監督: D・J・カルーソ
脚本・原案: クリストファー・ランドン
脚本: カール・エルスワース

キャスト
シャイア・ラブーフ/サラ・ローマー/アーロン・ヨー/デヴィッド・モース/キャリー=アン・モス
解説
アメリカでロングランヒットを記録した予測可不能なサスペンス。自宅軟禁中の青年が、近所ののぞき見を始めたせいで事件に巻き込まれていく様子を描写する。主人公役に『トランスフォーマー』のシャイア・ラブーフ、その母親役に『マトリックス』シリーズのキャリー=アン・モスがふんする。デジタルカメラや携帯電話といったハイテク技術を駆使し、若者たちが犯人を追い詰める奮闘ぶりは必見。

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面白かったです!
久しぶりに両手放しでおもしろかったと思いました。
主人公達が追い詰められていくドキドキ系サスペンスなんですが、それが良い意味で温い!
僕はホラーやサスペンス系で好きな要素がいくつかあって、
・主人公の事をちゃんと好きになってくれる相手(ヒロインや友達)が居る。
・その友達やヒロインごと事件に巻き込まれる(孤独じゃない)
・犯人は最後に死ぬ
・主人公と深い絡み方をした味方は死なない
もう少し上げるともっともっとあるんですが、概ねこんな感じの事が守られているものが好きなんです。
おそらく世間一般のサスペンス系から見たらとてもヌルい条件なのは承知していますが、どうせ怖い物を見るなら痛々しいのより快活な物が見たいので(笑)
主人公とヒロインと友人が3人で隣人の謎を暴こうとする場面もケイパー・ストーリーやコン・ゲームを彷彿させて面白かったです。
僕が知っている中では「隣人は静かに笑う」×「裏窓」…そっからホラー要素を少々マイナスしたみたいな印象でした。
友人役の韓国人俳優がとても良い味を出していたのと、母親役の俳優がやたらに美人だったのも見ていて飽きなかった。
もっともっと精神的に追い詰められたりする怖いのが好きな人には退屈かもしれませんが、個人的にはとても楽しめる作品でした。

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遺品整理屋は見た!

遺品整理屋は見た! 版社 / 著者からの内容紹介
孤独死、自殺、殺人…ひとごとのように感じられるかもしれませんが、それらはあなたの隣で起こっていてもおかしくありません。本書は、日本初の「遺品整理」の専門業者として、さまざまな壮絶な現場を経験してきた著者が記した46の「現実にある出来事」。あまりの凄まじさに「覗き見」の興味本位で読み進めていっても、そこからは現代社会が抱えている痛みや狂気が汲み取れます。圧倒的な読後感!

「日本経済新聞」「The Japan Times」「日経ビジネス」「日経流通新聞」「ダ・カーポ」「スーパーモーニング」「ザ・ワイド」「ガイアの夜明け」……さまざまなメディアで反響!

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血なまぐさい小説を読みすぎてちょっと胸いっぱい気味だったので、ふと気分を変えようと思い手に取ったエッセイがまた血なまぐさかった…。
いえ、好きで読んでるんですがね。
ノンフィクションの遺品整理屋さんの話です。
読むまで世の中にこんな仕事があるなんて考え付きもしませんでした。
でも確かに、亡くなった方の身の回りを整理するのに全員が全員それをやってくれる人がいるとは限りません。
夏場で死臭が立ち込めている車の移動や、飛び降り自殺で汚れた地面の清掃、死後○ヶ月が経ち(虫やネズミ)が大量に発生した部屋の掃除、血まみれの部屋の清掃、人が腐って溶けてしまった跡の処理……その他筆舌に尽くしがたいような現場の話が50話近く載っています。
ページに対して文字も大きくて、書き方も簡潔なのでとても読みやすくサクサク読める本なのですが、老人の孤独死の切なさや不慮の事故の悲しみ、自殺を止めたい気持ちなんかを前面に書きすぎてか、遺品整理の仕事のもっと細かい部分(手順や方法等)がとてもアッサリと書かれすぎていてちょっと物足りなかったです。
遺品整理屋という未知の仕事内容にもう少し詳しく触れて欲しかった。

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2007年10月26日 (金)

ルピナス探偵団の当惑

ルピナス探偵団の当惑 (ミステリー・リーグ) 内容(「BOOK」データベースより)
「そうだ、検視の結果なんだけど」と姉(警察官)は言い、「いい。聞きたくない。いま食べてるし」と私(女高生)はかえすのだが、「じゃあ聞かないで。勝手に喋るから」そうして事件に巻き込まれ(押しつけられ)てゆく私たち。どうして殺人を犯した直後に被害者の残したピザなんかを食べていったのだろうか、どうして血文字のダイイング・メッセージ(らしい)はわざわざ鏡文字になっていたのか、そしてどうして死体から腕だけを無理して盗んだのか―。才人津原泰水が本格ミステリーの粋を凝らした傑作。

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津原さんが少女小説家だった時代に書いた作品に1編を足して出来上がった本だそうです。
少女小説を書いていた事は知っていたのですが、過去読んできた津原作品から少女向けの小説というのが壮絶に思い浮かばなくて全然ピンとこなかったのですが、なるほどこんな感じか。
文章の密度は1/2ぐらいになってるんですが、目の付け所というか文体は全く持って変わらずですね。これはこの時代に書いていた作品も俄然気になってきました。というぐらい面白かったです。
探偵役が主人公なのかと思いきや、途中から主人公が思いをよせる男の子に代わっていったりと、ミステリ要素としてはなかなかにトリッキーな部分も多いですが、基盤が少女小説ならば納得。
会話の掛け合いもとてもリズミカルで、全編通して恋愛が主軸にあるはずなのにびっくりするぐらい色っぽい話にならないのも面白いです。
もしこの話が文庫でたくさん出ていたら、図書館とかで探して一から追っかけたくなりました。

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2007年10月25日 (木)

サウスバウンド

Eiga20071005_01_2  製作国:日本/製作:角川映画
原作:奥田英朗(角川書店刊)

豊川悦司/天海祐希/北川景子/田辺修斗/松本梨菜

監督・脚本: 森田芳光
撮影: 沖村志宏
監督補: 杉山泰一

父は元過激派だ。
税金なら納めん!学校へなんか行かなくていい!!
沖縄を舞台に型破りな父親と少年の交流を描いた豪快エンターテインメント。


全力疾走しているんだけど、“何か変”な親父、上原一郎。
いつも親父の行動が恥ずかしくてしょうがない洋子、二郎、桃子。
そして一見フツウの母さんだと思っていたさくらまでもが…!?

「税金など払わん、学校へなんか無理に行かなくていい。文句があるなら国民辞めちゃおー」
子供の迷惑顧みず、ハチャメチャでブッとんだ大人が目前の“悪”に向かって突進する。すべてを捨てて突然沖縄へ移住し組織を相手に大立ち回り。子供から見たらとんでもなく過激な親父。ところが決して嘘はつかず、表面的な正義は振りかざさず、ある夢に向かって突き進む…そんな親父に、子供たちは、
「ボクたちの親父って、すげぇ!」と親を見直してゆく。
父親のちょっと時代ずれした孤高の戦士的雰囲気のおかしさ。母の変貌…。
「サウスバウンド」はとにかく破天荒な面白家族を子供の目線で描いたニュー・ファミリームービー!


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原作の方が映画に比べてきっと相当面白いんだろうな…という予感は伝わる映画でした。
これは未読なんですが、先に入手して読んでから行けば良かった!イン・ザ・プール買ってる場合じゃなかった。
豊川氏や天海女史の演技もさることながら主役の子供たちの演技が凄く良いです。

この映画のジャンルは“社会派コメディ”になるのかな。
元過激派の父親の言動は確かにかなり過激な物が含まれています。
税金を納めるよう催促に来る役人に対しての態度、高額な修学旅行費に対する疑問、開発業者への態度。学生運動のなごりか、プロレタリア、ブルジョワ、搾取、などという言葉がポンポン出てきました。
どちらかというとその子供達世代の自分としてはいちいち言葉の意味を思い出して脳内で変換しながら見るのが楽しくもあり難しくもあり…。
配役としては、アナーキストのお父さんが主役と聞いていたので、最初団塊の世代の親父像を想像していたら豊川氏だったので年代も年齢も合わずちょっと拍子抜けしました。この辺の設定は原作と同じなんでしょうか?

余談ですが、エンディングが中島美嘉の『永遠の詩』だったのですが、その主題歌と映画の雰囲気が、水と油程に合っていなかった…。

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2007年10月 6日 (土)

少年トレチア

少年トレチア 出版社/著者からの内容紹介
都市のまどろみは怪物を育む。
みんなが云う。
悪いのはトレチア。殺したのはトレチア。

<欲望と邪意を見つめる熱く暗い傑作>

「キジツダ」謎の少年が囁く死の呪文とは?
新興住宅地で次々おこる殺人事件。目撃された学帽と白い開襟シャツの少年は何者か。都市伝説を通して“恐るべき子供たち”の真実を捉え、未来を予見するホラー!

楳原崇(うめはらたかし)――うしろ暗い少年期を隠した学生。
佐久間七与(さくまななよ)――ニュータウンを撮り続ける女。
蠣崎旺児(かきざきおうじ)――夜ごとダウジングする漫画家。
新宅晟(しんたくあきら)――難病とともに生きる邪悪なこども。

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都市伝説とホラーとミステリを足してミステリ要素にちょっとだけ色をつけたような感じの作品でした。
津原さんの文体はやはりとても美しいのですが、何せ長くて説明的文章が多い中盤はちょっとダレる…
全体的には面白いですし、睡眠の前に読破してそのまま眠ったら悪夢をみました(笑)ぐらい直後の精神状態に影響を与える作品です。
公園もあり池もありショッピングモールもあり、病院もあるような隔離空間、「サテライト」という巨大高層マンションがこの話の舞台なのですが、その辺はアクアポリスQの世界観に近いと感じました。独特の閉塞感のある世界が上手く表現されています。
津原泰水氏の書く小説は話が収集して終息するのではなく、そのイメージが広がったまま消えない所に良さがあると思う。

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2007年10月 3日 (水)

君は永遠にそいつらより若い

君は永遠にそいつらより若い 内容(「BOOK」データベースより)
身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい―就職が決まった大学四年生のだるい日常の底に潜む、うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。そしてかすかな希望…?第21回太宰治賞受賞作。

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最初津原泰水氏の並びに置いてあり、間違えて手にとったけどタイトルが気になって読んでみた作品。いわゆるジャケ買い…ならぬジャケ読み。
非常に現代的な文章で読んでいてとても面白かったです。自分がこの著者を全くのノーマークだった事が恥ずかしくなるほどに好みでした。
自分の身の回りにもいるいる!と思えるような登場人物達や、捉えどころの無い中核を押さえない会話を緩慢に繰り返す描写が現代の、とりわけ若い世代の人間模様を凄くよく描いていると思います。
のらりくらりとした会話の中で佳境にさしかかって来るほど、この話の伝えたい事が実はとてもシリアスなのだという事が見えてきます。そんな本質が“ゆるテイスト”で描かれる様は、難しく畏まって書かれるよりよほど読後も印象に残りました。
現在(2007/10/3)著者の文庫化はこの一冊だけのようですが、短編は色々とかかれているようなので文庫化を楽しみにしたいと思います。

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ピカルディの薔薇

ピカルディの薔薇 内容(「BOOK」データベースより)
頑迷な男を襲う白昼夢。(「夕化粧」)人形作家の恐るべき新作。(「ピカルディの薔薇」)鳥を彩る伝説の真相。(「籠中花」)饒舌に語られる凄絶な食。(「フルーツ白玉」)稲生武太夫伝説への硬質なるオマージュ。(「夢三十夜」)未来を覗ける切符の対価(「甘い風」)猿渡の祖父が見た彼の幻の都。(「新京異聞」)江戸川乱歩、中井英夫の直系が紡ぐ、倦怠と残酷の悲喜劇。

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「蘆屋家の崩壊 」が大学時代に友人から借りて読んで、久しぶりに読み返したくなるほど印象深かった作品だったのですが、「ピカルディの薔薇」はその登場人物である猿渡と伯爵の二人があいまみえる続編でした。
この本に関して全くのノー知識で、津原さんの名前だけで読み始めたのでこの嬉しい出会いに相当ビックリしました。
相変わらずこの方の書く文章は美しいです。詩的で…とか情緒があってどうとかそういうのは全然詳しくない自分ですが、難そうに見えてそうでなく、ユーモアとセンスの良さが軽妙洒脱に描かれているのが凄い。
魔を秘めた幻想的な雰囲気が好きな人にはたまらない一品です。

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