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2014年12月28日 (日)

ファミリーポートレイト

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内容紹介

若くて美しい母親と喋ることのできない小さな娘。たった二人の逃避行。
あたしはママを守り、ママはあたしを支配する。

最初の記憶 は五歳のとき。公営住宅の庭を眺めていたあたしにママが言った。「逃げるわよ」。母の名前はマコ、娘の名前はコマコ。老人ばかりが暮らす城塞都市や奇妙な 風習の残る温泉街。逃亡生活の中でコマコは言葉を覚え、物語を知った。そして二人はいつまでも一緒だと信じていた。母娘の逃避行、その結末は。

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桜庭さんはGOSICKを昔読んだことがありますが、ああいったファンタジー色の強いものより、この作品のような現実社会をどうにか生き抜いている人間を書いている話のほうが好みです。

この作品は前半後半で、娘が母を見守る視点と、娘が母を通して現実と向き合う視点にわかれた二部構成の作品です。
その中でもマコの存在をどう読むかでだいぶ印象の変わる話だと思います。
最初、彼女の奔放さや学ばない気質、不幸体質に対してイライラしながら読んでいましたが(苦笑)、彼女の行動に対してのコツを掴んでからはとても魅力的な主人公の一人として読めました。
全体を通しては、主人公のコマコの幼少期から青年期をただひたすら見守る小説であり、母と娘の(主には娘から母への大分一方通行な)愛情を約700Pかけて語る小説でしたが、不思議と読後感は悪くなく、コマコの受動的な生き方も相まってお伽噺の伝記を読んでいるような気持ちになりました。

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