小野不由美

2008年4月21日 (月)

東亰異聞

東亰異聞

内容(「BOOK」データベースより)
帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる…。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。

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昔、梶原にき氏の漫画で読んだ時にはなんだか不合理で納得できないだけの内容に思えてあまり好きになれなかったんですが、小野不由美の文章で読むと狐につままれたまま知らず知らずのうちに納得させられるような…、尖る気で目を見張っていた角を丸ごと包まれてしまったような不思議な所に落ち着きました。
漫画読んだ時は、人間の起こすトリックと物の怪の類が同居したら話に収拾つかなくなるだけじゃないかと思っていた事も、活字で読むとどうにも上手い所に落とされた感触です。
僕が小野不由美が好きだからというのも勿論あると思いますが、ミステリと奇怪が同居する世界が苦手な方にも是非とも読んで貰いたい。
決して本格派ではないけども、本格派にはない哀愁と目には見えない怖さがある一冊です。

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2007年5月 9日 (水)

屍鬼

屍鬼〈1〉 内容(「BOOK」データベースより)
人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われた夏、悲劇は唐突に幕を開けた。山深い集落で発見された三体の腐乱死体。周りには無数の肉片が、まるで獣が蹂躪したかのように散乱していた―。闇夜をついて越して来た謎の家族は、連続する不審死とどう関わっているのか。殺人か、未知の疫病か、それとも…。超弩級の恐怖が夜の帳を侵食し始めた。

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黒祠の島で使ったモチーフを焼きなおして盛大に使った感じの作品。
良いですね、この小野さんお得意のホラーとミステリが6:4ぐらいで交じってる雰囲気大好きです(笑)
これは僕の大好きなホラーゲームSIRENが参考にしたと言われている小説なのですが、古くはジャック・フィニィの盗まれた街のような一個のコミュニティ単位で人が人在らざるものにひっそりとすり返られていく様と、それにいち早く気付いた人が対抗したり原因を究明したり逃げたりする過程を追った話です。
最後若御院とお医者とどちらの側に立って読むかでエンディングの捕らえ方が変わりますが、自分としては理性はお医者側だったなぁ…
最後に一筋の救いはある話ですが、たいがいが辛く哀しい話でそこも含めて途方も無く面白かったです。
こんなに辛くて哀しいのにこんなに面白かった話は模倣犯以来久しぶりでした。

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