荻原浩

2007年12月10日 (月)

神様からひと言

神様からひと言 (光文社文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。


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主人公も含めて普通どこか出演回数の多い位置に、わりと無個性だったり話の聞き手に回るようないわゆる「抜き」的なキャラクターが居る事が多い小説界ですが、見事に登場人物全員が癖のある曲者ぞろいの話でした。
はじめ、一番無個性なのはかろうじて主役の佐倉かな、と思っていましたが、その主役すらもしっかりと強い味付けがされていたんで、画面がくどいくどい(笑)
最初のうちは毒気に当てられるような気持ちでちょっとくらくらしながら読んでいたのですが、だんだん慣れてくるとそれが良い味になってきました。

「お客様のひと言は神様のひと言」これを社訓にかかげた珠川食品お客様相談室に努めた佐倉の奮闘話ですが、その中でお客から“自然健康食品(ヘルシー)”に対する会社の取り組み方の甘さを追及された時、上司の篠崎がお客の気持ちを一度きちんと真摯に受け止めた上で、会社側の立場として諭した「昨今では大根や果実の皮にも農薬が含まれ、無農薬で育てようと思っても薬を使って育てた家畜の堆肥ではどうにもならず、そもそも土壌自体がすでに薬品漬けになっております。まったくの健康食品などもうどこにもないのです。全ての人間が本物だけを食べて生きていける世の中ではないのです。お気持ちだけはしかと受け止めますが、気概だけでは会社が潰れてしまいます。」
コストや合理性、資源の上手い使い方を研究している現場側の立場から見た意見として、確かにこれも一理ある。と納得してしまいました。

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2007年5月23日 (水)

押入れのちよ

押入れのちよ 内容(「MARC」データベースより)
今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。

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「押入れのちよ」「木下闇」「しんちゃんの自転車」は目に見えて好みな話で面白かったんですが、それ以外は特筆すべき物は無いかも。
全編通して“死”か“幽霊”のからむ話でした。
荻原さんは短編よりわりと重めの長編をちょっとしたジョークを交えて書いてた話の方が好きみたいです。

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