松尾スズキ

2008年4月14日 (月)

クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3) 【内容情報】(「BOOK」データベースより)

恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナースと出会う。普通と特別、正常と異常…境界線をさ迷う明日香がたどり着いた場所はどこか?悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた、第134回芥川賞候補作。


■■■
社会の底にだいぶ近く、本当であれば重苦しいであろう話をかなりライトにサッパリと書いております。
めちゃくちゃ読みやすくて、ノリとテンポの良さでぐいぐいと進めていく力強さがこういう話を途中で挫折せずに読むパワーになります。
映画は見たい見たいと思う間に終わって結局未見だったんですが、小説がこれだけテンポいいんだからさぞかし映像に向いているんじゃないでしょうか。DVD出たら見てみたい一品です。
実は僕は松尾スズキ氏の書く物を読むのは初めてだったんですが、どこから植えつけられた知識か、松尾さんの作品はおっそろしく暗くてドロドロしていて哲学的だと聞いていたのでちょっと身構えていた部分もあったのですが、この本に関して言えば、その対極にあるような本でした。書き方も内容も、登場人物の喋り方もコミカルで作品自体のテーマは重いのに重いものを読む上での面倒くささを全く感じさせません。
冗談にならない事を冗談っぽく言える人は凄い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)