書籍・雑誌

2008年2月21日 (木)

白い兎が逃げる

白い兎が逃げる 内容(「BOOK」データベースより)
「君を好きになった。君も僕に興味を持って欲しい。それが無理なら、離れたところから君を見守っているだけでもいい」―。ストーカー行為に悩む劇団「ワープシアター」の看板女優・清水玲奈。彼女を変質者から引き離すプランは、成功した筈だった。ところが、ストーカーの死体が発見され、事件は思わぬ展開に!臨床犯罪学者・火村英生の論理的思考が冴え渡る、4編の傑作本格推理。


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正直、出た当初に第一版で購入していましたが、このシリーズは相当自分の体制が整っている時じゃないと読みたくなかったのでずっと寝かせていました。ただだいぶ寝すぎて次の長編が出てしまいましたが(笑)。そしてようやく体制が整ったのでこの度読破。
今回の話はレビュー書いてる方々が口々に言っていた火村氏の名言(迷言?)が盛りだくさんで終始ニヤリとさせてもらいました。
にしても「おぼこい」って…。相変わらず有栖川氏の台詞は言い回しや言葉が微妙に昭和です。本格ミステリだからこそなのでしょうか?(笑)
P266の「学習心理学における~」やP269「おい、全部食べちまったのかよ」あたりは二人のコンビネーションの絶妙具合と、踏み込む領域がチラリと見えて面白かったです。
アリスの恋愛心情も久しぶりに出ましたね。P299の「俺はおまえが~」の件は言わずもがな。
ストーリーの最後の盛り上げ方が秀逸で、久しぶりにミステリの謎解き段階でゾクゾクしました。

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2008年1月22日 (火)

池袋ウエストゲートパークⅤ 反自殺クラブ

反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク5 (文春文庫 い 47-9) 〔ストーリー紹介〕
池袋には「Gボーイズ」って言うストリートギャング団がある。イカれたガキどもの集団だ。
トップのキングの名は、タカシ。奴に話を取り次ぎたいのなら、俺のところにくればいい。
依頼によっちゃぁ聞いてくれるかもしれないよ。

風俗嬢の天才スカウトマン・タイチ。彼の知り合いが風俗スカウトサークルの罠にはまり、
タイチはマコトにその救出を依頼する―――「スカウトマンズ・ブルース」

かつて爆発的にブレイクした、大スター神宮寺貴信。ある日マコトの果物屋を訪れた、
その伝説の男は、「Gボーイズ」への取り次ぎを依頼した―――「伝説の星」

労働環境が恐ろしく悪い中国の玩具工場。ある時一人の女性がそこで亡くなり、
復讐を誓ったその妹は、親会社のある日本へと渡った―――「死に至る玩具」

ネット内に散らばる自殺系サイトを飛び回り、次々と集団自殺をプロデュースしていく、
謎の人物「スパイダー」が池袋に現れた。自殺遺児たちが結成した「反自殺クラブ」は
マコトとタッグを組んでスパイダー捜索を開始した―――「反自殺クラブ」

「池袋ウエストゲートパーク」が合言葉!混沌の町池袋を描く、IWGPシリーズⅤ。

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有栖川有栖、伊坂幸太郎と並んで新作が出たら(図書館ではなく)新書で必ず買う作家、石田衣良。
ただだいーぶメディア出演が多くなって、それと共に買い辛くなってきました。
物凄くトレンディで今ある風景を新鮮なうちにカットしてザクザクっと書けてしまう作家の本を買うのって、なんか物凄く気恥ずかしくないですか?
自分はこんなに今をときめく作家を…皆が注目している流行の作家のチェックを怠らないんだぞ、っていう恥ずかしいアピールみたいな気が(勝手に)して、だんだん石田さんの本が買い辛くなっています…。ものっ凄い被害妄想なのは承知で(笑)

IWGPシリーズも5作目、安定して面白いです。
今回は全体を通してこの作品の面白みの一端である「疾走感」が若干薄かった気もしますが、波が高い時や低い時があっても平均して標準レベルより充分に面白い物が書けるのが石田さんの強みだと思います。
人の死や不幸をわりあいフランクに作品に登場させている印象はありますが、同じ主題でも重い味わいはLAST辺りを読めばいいし、このシリーズに関してはこのぐらいの温度が丁度良いです。(ヌルいって意味ではなくて、良い塩梅)

主題にもなっている反自殺クラブは、話の流れもオチも東京バビロンの中の1ストーリーを思い出しました。

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ラッシュライフ

ラッシュライフ (新潮文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場―。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。


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「一枚の騙し絵小説」

もんのすごい複雑な時間軸の話。でも整理すると意外と単純でした。
結局は421ページの佐々岡の話した内容そのままのシステムの小説だった。
ただ整理しないまま読んだほうが最後にどかんと楽しいです(笑)。楽しみ方を間違えた…

この話に出てくる物は、登場人物は勿論、街の風景や天気やポスター一枚、野良犬一匹まで本当によく作り込まれています。万物、あらゆる物に意味と役目がありました。
一見ぽいぽいと投げられているような登場物が最後に一本の太い筋として絡み合う図は壮観です。
ザッピングシステムを使ったゲームとしてコンシューマーで出してくれないかな。確実に買うのにな。ネタバレしてても欲しい。彼等の見聞きしたものを映像で臨場感たっぷりで感じたい。

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2008年1月10日 (木)

バイオハザードIII

バイオハザードIII (角川ホラー文庫 (H519-2))

  • 文庫: 382ページ
  • 出版社: 角川書店 (2007/10)
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    映画を見た後にこれじゃ色々と納得いかんと思っていた所、持っている人が居たのでありがたく貸して頂きました。
    映画では語られなかったジルの現在の所在やアンジーが何故殺されてしまったのか、カルロスやLJの最後の心中等色々と語られていて興味深かったです。
    やっぱり小説がある映画は映画を見た後でじっくり小説を読むのが正解の流れですね。逆だと酷い目に合う事暫し…。

    「世界が終わる前」と「世界が終わった後」をザッピングしながら進んでいくストーリー。
    映画では細かすぎたり時間の問題で手の届かない部分にもきちんと対応しながら進んでいくのがとても読みやすかったです。
    ただ後半ちょっと駆け足すぎた印象でした。
    カルロスが戦死する辺りからページの都合なのか勢いに任せたまま走ってしまって、スピード感はあるけど今までの丁寧な描写から比べるとちょっと物足りない感じも。読み手として話の流れを理解するのに全力になってしまいました。
    あと2人目の主人公と言っても良いぐらいの位置(にこれからなるであろう)クレア。彼女のプライベートが全くと言って良いほど明かされなかったのが気になります。
    ゲームと似て否なるものだから尚更気になる…。クリスを追いかけているのはベロニカ設定と同じ感じですが、次回作にはとうとうクリスも出るんだろうか。
    ただエンディングは流石!映画より絶対良いです。気持ちの辻褄が合いました。
    映画はアリス編3部作が終わり、これからクレア編がはじまるらしいですが、これだったら未来を感じさせるエンディングとしてこのままシリーズ終結でもいいぐらいです。(昔こんな感じの終わり方をするメカ物のアニメあったなあ。)

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    2007年12月29日 (土)

    イン・ザ・プール/空中ブランコ

    イン・ザ・プール (文春文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
    「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

    空中ブランコ 内容(「BOOK」データベースより)
    人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。ここはどこ?なんでこうなるの?怪作『イン・ザ・プール』から二年。トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す。

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    試写会でサウスバウンドを見せてもらったのを切っ掛けに、奥田氏の作品に興味を持ったので、ブックオフで探したら揃って置いてあって即購入。
    あとで調べたら続編がもう一作出てたんですね。とりあえずお試しとして2作でいいやと読んでみたので、今回は異例ですが2作品一緒に感想書きます。

    伊良部の性格と行動に慣れるまで二冊目のまんなかまでかかりました。
    何度も嫌な目に合う患者がそれでも訪れるのは愚かだし、いくら何でもお約束にしては強引だと思っていたけど、もうそういう一連の流れだと、オートマチックだと考えたらすんなり読めるようになりました。時間かかったけど…
    そこからはようやく面白く読めました(笑)
    帯や書評を見たら「癒される」とか「爆笑できる」とかのうたい文句で宣伝されていましたが、癒しや爆笑に関しては僕は恩恵に与れなかった…かな。
    僕が個人的に、ここまでは色々な都合でこういう流れなの。決まりなの。自動的にこうなるの。ただし、ここからは各自自由。好きなように動いていいし好きな風に受け取ってもらって全然構わないよ。的な途中放置のような泳がされ方を好まないからだと思います。
    自由にさせてくれるなら最初から自由希望だし、決まりごとがあるなら多少強引でも最後まで決まりとして読者を引っ張ってってよ。と。
    この話自体がこういうスタイルだからあんまり合わなかったのかなー…
    また機会があったら映画も見たことだし、サウスバウンドの方を読んでみたいと思います。

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    2007年12月10日 (月)

    神様からひと言

    神様からひと言 (光文社文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
    大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。


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    主人公も含めて普通どこか出演回数の多い位置に、わりと無個性だったり話の聞き手に回るようないわゆる「抜き」的なキャラクターが居る事が多い小説界ですが、見事に登場人物全員が癖のある曲者ぞろいの話でした。
    はじめ、一番無個性なのはかろうじて主役の佐倉かな、と思っていましたが、その主役すらもしっかりと強い味付けがされていたんで、画面がくどいくどい(笑)
    最初のうちは毒気に当てられるような気持ちでちょっとくらくらしながら読んでいたのですが、だんだん慣れてくるとそれが良い味になってきました。

    「お客様のひと言は神様のひと言」これを社訓にかかげた珠川食品お客様相談室に努めた佐倉の奮闘話ですが、その中でお客から“自然健康食品(ヘルシー)”に対する会社の取り組み方の甘さを追及された時、上司の篠崎がお客の気持ちを一度きちんと真摯に受け止めた上で、会社側の立場として諭した「昨今では大根や果実の皮にも農薬が含まれ、無農薬で育てようと思っても薬を使って育てた家畜の堆肥ではどうにもならず、そもそも土壌自体がすでに薬品漬けになっております。まったくの健康食品などもうどこにもないのです。全ての人間が本物だけを食べて生きていける世の中ではないのです。お気持ちだけはしかと受け止めますが、気概だけでは会社が潰れてしまいます。」
    コストや合理性、資源の上手い使い方を研究している現場側の立場から見た意見として、確かにこれも一理ある。と納得してしまいました。

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    2007年11月24日 (土)

    のはなし

    のはなし 内容紹介
    伊集院光の魅力が詰まった一冊。こんなエッセイ集を、今まで誰も、読んだことも見たこともないはず。連載5年、構想4年、修正1年。伝説のエッセイ、ついに刊行! 爆笑!感動!鳥肌!の全82話。

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    この人が居なかったら今の自分の人格形成は為されていないだろう、と言うほどに深く深く傾倒している伊集院氏の本。
    ツーカーのメルマガで連載していた750本程のエッセイから80本程を抜き出して掲載した本です。
    この手の芸能人が書いた本は今まで全く手をつけた事がなかったのですが、これは連載が始った当初から読みたくて読みたくて仕方がありませんでした。auユーザーの為一生無理かと思っていた矢先にまさかのBOOK化。狂喜乱舞で読破。
    いや、本当に面白い。
    1話が2~5ページ程の短いスパンで作られているので、通勤や通学の際にもサクサク読めます。
    ただ人の見ている前で読むとウッカリ吹き出したりする可能性があるので要注意。高校からのラジオリスナーの自分にとってはそれほど面白い内容でした。
    ラジオで語られていたけども、結末が曖昧だった話の完結部分や、ラジオの話のその後なんかが楽しめます。
    勿論ラジオリスナーじゃなくても相当面白く読める内容です。
    もし文庫版で出たらまた買うだろうなあ。

    どうでもいい話ですが、載せきらなかったからって750本程から80本程までに割愛したスタッフに殺意すら覚えました。

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    2007年11月12日 (月)

    正しく時代に遅れるために

    正しく時代に遅れるために 有栖川有栖エッセイ集 内容(「BOOK」データベースより)
    すべての人間は“六段階の距離”でつながっている!?ネット書店で著者がオススメされたものは…?日々の生活、映画、小説に隠れた謎。作家・有栖川有栖のことがもっとよくわかるエッセイ集。

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    中学生の頃の僕がミステリを読む切っ掛けとなった作者です。
    …しかし、どうにも有栖川氏の本は作家編以外あまり好みに合わなかったのですが、エッセイ集は楽しく読めました。
    ミステリを読む上でも映画を見る上でも色々と参考になる一冊です。

    ブラックジャックの孤影を読んでの更なる引用。
    火村とアリスの関係はブラックジャックとピノコの関係に似ている。
    火村の孤影にはアリスが寄り添っていなくてはならない。
    そうでなければ淋しすぎるからだ。

    最初に作家編を読んだ時に有栖川先生がピノコに持ったのと同じような感想を僕も持ちましたが、読んでいくうちにだんだんと納得していきました。
    ホームズにはワトソンが居なくてはならない理由のように。

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    2007年11月 7日 (水)

    砂漠

    砂漠 出版社 / 著者からの内容紹介
    麻雀、合コン、バイトetc……普通のキャンパスライフを送りながら、「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、もがく5人の学生たち。社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、あっという間に過ぎゆく日々を送る若者群像を活写。日本全国の伊坂ファン待望、1年半ぶりの書き下ろし長編青春小説!

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    大学生グループの楽しくて退屈でちょっと感動的な4年間の話。…が、伊坂マジックは偉大です。そんな4年間の話がめちゃめちゃ面白いんです。
    鳥井の頭の悪そうな振る舞いに最初「ちょっとぐらい痛い目にあったほうがいい」くらいは思っていたのに、本気で痛い目に合いどん底まで落ち込んだ鳥井を見て切なくなり、彼の心が立ち直った時にはいっそじわりと涙まで滲んでしまいました。
    伊坂作品は本当に凄い!惹き込まれる!
    苛立ちも衝撃も安堵も感動も全て読む速度と一緒にやってくる作家にはなかなか出会えません。
    本当に自分のテンポの合った作品に出会うとその場で子供のように一喜一憂してしまうし、そうやってひとしきり激高したりその後死ぬほど安心したりするのがやたらと心地いい。
    今まで伊坂作品を読んできて全体的に感じた事は、主人公にわりと無個性な頭脳型を置いて、その周りの個性的な人物に翻弄されたり観察したり影響されたりするような所謂“チーム”型の話が抜群に上手いですね。
    読んでいたらこっちまでその仲間に入ったような錯覚を起こすぐらい生き生きとした小説でした。
    あとマージャンとボーリングがめちゃめちゃやりたくなります。
    僕はドンジャラぐらいしかやったことがなかったので、マージャンのルールをあまり知らなくて今まで殆ど触った事がありませんでしたが、なんだか読んでて無性にやりたくなったのでハンゲームをインストールしてみました。人生初プレイ。(結果、ルールがやっぱり曖昧で全く勝てませんでしたが…)

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    2007年10月30日 (火)

    遺品整理屋は見た!

    遺品整理屋は見た! 版社 / 著者からの内容紹介
    孤独死、自殺、殺人…ひとごとのように感じられるかもしれませんが、それらはあなたの隣で起こっていてもおかしくありません。本書は、日本初の「遺品整理」の専門業者として、さまざまな壮絶な現場を経験してきた著者が記した46の「現実にある出来事」。あまりの凄まじさに「覗き見」の興味本位で読み進めていっても、そこからは現代社会が抱えている痛みや狂気が汲み取れます。圧倒的な読後感!

    「日本経済新聞」「The Japan Times」「日経ビジネス」「日経流通新聞」「ダ・カーポ」「スーパーモーニング」「ザ・ワイド」「ガイアの夜明け」……さまざまなメディアで反響!

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    血なまぐさい小説を読みすぎてちょっと胸いっぱい気味だったので、ふと気分を変えようと思い手に取ったエッセイがまた血なまぐさかった…。
    いえ、好きで読んでるんですがね。
    ノンフィクションの遺品整理屋さんの話です。
    読むまで世の中にこんな仕事があるなんて考え付きもしませんでした。
    でも確かに、亡くなった方の身の回りを整理するのに全員が全員それをやってくれる人がいるとは限りません。
    夏場で死臭が立ち込めている車の移動や、飛び降り自殺で汚れた地面の清掃、死後○ヶ月が経ち(虫やネズミ)が大量に発生した部屋の掃除、血まみれの部屋の清掃、人が腐って溶けてしまった跡の処理……その他筆舌に尽くしがたいような現場の話が50話近く載っています。
    ページに対して文字も大きくて、書き方も簡潔なのでとても読みやすくサクサク読める本なのですが、老人の孤独死の切なさや不慮の事故の悲しみ、自殺を止めたい気持ちなんかを前面に書きすぎてか、遺品整理の仕事のもっと細かい部分(手順や方法等)がとてもアッサリと書かれすぎていてちょっと物足りなかったです。
    遺品整理屋という未知の仕事内容にもう少し詳しく触れて欲しかった。

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    2007年10月26日 (金)

    ルピナス探偵団の当惑

    ルピナス探偵団の当惑 (ミステリー・リーグ) 内容(「BOOK」データベースより)
    「そうだ、検視の結果なんだけど」と姉(警察官)は言い、「いい。聞きたくない。いま食べてるし」と私(女高生)はかえすのだが、「じゃあ聞かないで。勝手に喋るから」そうして事件に巻き込まれ(押しつけられ)てゆく私たち。どうして殺人を犯した直後に被害者の残したピザなんかを食べていったのだろうか、どうして血文字のダイイング・メッセージ(らしい)はわざわざ鏡文字になっていたのか、そしてどうして死体から腕だけを無理して盗んだのか―。才人津原泰水が本格ミステリーの粋を凝らした傑作。

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    津原さんが少女小説家だった時代に書いた作品に1編を足して出来上がった本だそうです。
    少女小説を書いていた事は知っていたのですが、過去読んできた津原作品から少女向けの小説というのが壮絶に思い浮かばなくて全然ピンとこなかったのですが、なるほどこんな感じか。
    文章の密度は1/2ぐらいになってるんですが、目の付け所というか文体は全く持って変わらずですね。これはこの時代に書いていた作品も俄然気になってきました。というぐらい面白かったです。
    探偵役が主人公なのかと思いきや、途中から主人公が思いをよせる男の子に代わっていったりと、ミステリ要素としてはなかなかにトリッキーな部分も多いですが、基盤が少女小説ならば納得。
    会話の掛け合いもとてもリズミカルで、全編通して恋愛が主軸にあるはずなのにびっくりするぐらい色っぽい話にならないのも面白いです。
    もしこの話が文庫でたくさん出ていたら、図書館とかで探して一から追っかけたくなりました。

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    2007年10月 6日 (土)

    少年トレチア

    少年トレチア 出版社/著者からの内容紹介
    都市のまどろみは怪物を育む。
    みんなが云う。
    悪いのはトレチア。殺したのはトレチア。

    <欲望と邪意を見つめる熱く暗い傑作>

    「キジツダ」謎の少年が囁く死の呪文とは?
    新興住宅地で次々おこる殺人事件。目撃された学帽と白い開襟シャツの少年は何者か。都市伝説を通して“恐るべき子供たち”の真実を捉え、未来を予見するホラー!

    楳原崇(うめはらたかし)――うしろ暗い少年期を隠した学生。
    佐久間七与(さくまななよ)――ニュータウンを撮り続ける女。
    蠣崎旺児(かきざきおうじ)――夜ごとダウジングする漫画家。
    新宅晟(しんたくあきら)――難病とともに生きる邪悪なこども。

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    都市伝説とホラーとミステリを足してミステリ要素にちょっとだけ色をつけたような感じの作品でした。
    津原さんの文体はやはりとても美しいのですが、何せ長くて説明的文章が多い中盤はちょっとダレる…
    全体的には面白いですし、睡眠の前に読破してそのまま眠ったら悪夢をみました(笑)ぐらい直後の精神状態に影響を与える作品です。
    公園もあり池もありショッピングモールもあり、病院もあるような隔離空間、「サテライト」という巨大高層マンションがこの話の舞台なのですが、その辺はアクアポリスQの世界観に近いと感じました。独特の閉塞感のある世界が上手く表現されています。
    津原泰水氏の書く小説は話が収集して終息するのではなく、そのイメージが広がったまま消えない所に良さがあると思う。

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    2007年10月 3日 (水)

    君は永遠にそいつらより若い

    君は永遠にそいつらより若い 内容(「BOOK」データベースより)
    身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい―就職が決まった大学四年生のだるい日常の底に潜む、うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。そしてかすかな希望…?第21回太宰治賞受賞作。

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    最初津原泰水氏の並びに置いてあり、間違えて手にとったけどタイトルが気になって読んでみた作品。いわゆるジャケ買い…ならぬジャケ読み。
    非常に現代的な文章で読んでいてとても面白かったです。自分がこの著者を全くのノーマークだった事が恥ずかしくなるほどに好みでした。
    自分の身の回りにもいるいる!と思えるような登場人物達や、捉えどころの無い中核を押さえない会話を緩慢に繰り返す描写が現代の、とりわけ若い世代の人間模様を凄くよく描いていると思います。
    のらりくらりとした会話の中で佳境にさしかかって来るほど、この話の伝えたい事が実はとてもシリアスなのだという事が見えてきます。そんな本質が“ゆるテイスト”で描かれる様は、難しく畏まって書かれるよりよほど読後も印象に残りました。
    現在(2007/10/3)著者の文庫化はこの一冊だけのようですが、短編は色々とかかれているようなので文庫化を楽しみにしたいと思います。

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    ピカルディの薔薇

    ピカルディの薔薇 内容(「BOOK」データベースより)
    頑迷な男を襲う白昼夢。(「夕化粧」)人形作家の恐るべき新作。(「ピカルディの薔薇」)鳥を彩る伝説の真相。(「籠中花」)饒舌に語られる凄絶な食。(「フルーツ白玉」)稲生武太夫伝説への硬質なるオマージュ。(「夢三十夜」)未来を覗ける切符の対価(「甘い風」)猿渡の祖父が見た彼の幻の都。(「新京異聞」)江戸川乱歩、中井英夫の直系が紡ぐ、倦怠と残酷の悲喜劇。

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    「蘆屋家の崩壊 」が大学時代に友人から借りて読んで、久しぶりに読み返したくなるほど印象深かった作品だったのですが、「ピカルディの薔薇」はその登場人物である猿渡と伯爵の二人があいまみえる続編でした。
    この本に関して全くのノー知識で、津原さんの名前だけで読み始めたのでこの嬉しい出会いに相当ビックリしました。
    相変わらずこの方の書く文章は美しいです。詩的で…とか情緒があってどうとかそういうのは全然詳しくない自分ですが、難そうに見えてそうでなく、ユーモアとセンスの良さが軽妙洒脱に描かれているのが凄い。
    魔を秘めた幻想的な雰囲気が好きな人にはたまらない一品です。

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    2007年9月29日 (土)

    レイクサイド

    レイクサイド (文春文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
    妻は言った。「あたしが殺したのよ」―湖畔の別荘には、夫の愛人の死体が横たわっていた。四組の親子が参加する中学受験の勉強合宿で起きた事件。親たちは子供を守るため自らの手で犯行を隠蔽しようとする。が、事件の周囲には不自然な影が。真相はどこに?そして事件は思わぬ方向に動き出す。傑作ミステリー。

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    珍しい方向から始まるミステリでした。
    文章力もあるし、複線もきっちり張られているのに登場人物の誰にも魅力を感じないせいで物語りに引き込まれないのは、僕がキャラクターをわりと重視しながら読むタイプだからでしょうか…。
    あと子供は時に残酷です。とか子供は大人より実は残酷です。とかを連呼する辺りはちょっと力技かな。
    東野さんは映画の手紙以外、小説としては初の着手だったのですが、登場人物の定着からしっかり読み込む為にも白夜行あたりの長編から先に読めばよかったのかも。

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    2007年9月23日 (日)

    オーデュボンの祈り

    オーデュボンの祈り (新潮文庫) 内容(「BOOK」データベースより)
    コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。

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    「ある日どこか島の外から来た人間が島に無いものを置いていく」
    この言葉を信じ続けている日比野は登場人物至上一番バカで純粋だと思う。そして読前と読後で一番印象が変わった人物です。端的に言うと好きになりました。
    地味ですが日比野を不器用な形で見守る島の警察官小山田との関係が好きです。
    本書は著者がこれでもかって程に詰め込んだ伏線が見事で、最後まで読んでようやく理解できる事ばかりでした。最後まで読んでも納得できない事もままあるけども、それが気にならないぐらいにこの世界観は見事です。
    ミステリーと言うより現代小説のひとつとして読む方がしっくりくるのではないでしょうか。
    デビュー作から「群集心理」と「全体を包む大いなる波」は伊坂作品の特徴だという事がよくわかりました。

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    2007年9月18日 (火)

    中空

    中空 内容(「BOOK」データベースより)
    何十年に一度、開花するという竹の花。その撮影のために鳶山と猫田は、大隅半島の南端に近い竹茂村を訪れた。そこは老荘思想を規範に暮らすひなびた七世帯の村だった。村人は二十年前に起きた連続殺人事件の、再来に怯えながら過ごしていた。そして、怖れていた忌まわしい殺人事件が次々と起こる!!閉鎖された村の異質な人間関係の中に潜む犯人とは!?横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した本格ミステリの秀作。

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    絶海の孤島と言わないまでも、人里離れた場所にひっそりと7世帯で暮らす村、そこに都会からやってくる客人が二人。ホームズ役は飄々としてつかみ所のない男でワトソン役は自分の足で動き考える女。
    ……これだけ役者もハコも揃っているのになぜかこの物語には緊迫感が一切ありません。
    おそらく、探偵役二人の性格があまりにも突飛なことと、村人にミステリアスな部分が殆ど無いのが原因だと思います。
    粗筋を読んで、少々怖めのホラーサスペンス思い描いていたら、いつまでもホラーが来なくて(被害者が首を切られたシーンの回想ですらも、そこはかとなく明るい)いつの間にか終わっていた印象です。
    あと久しぶりに最後にポッと出てきた人が犯人という、海外ミステリにわりとあるパターンの小説でした。名前は何度かストーリー中盤でも挙がっているんですが、主人公がその人物のイメージを誤って捕らえていたおかげもあり、最終的にその人が犯人でしたと言われてもあまり納得のいくオチには感じられませんでした。

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    2007年9月12日 (水)

    春を嫌いになった理由

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    内容(「BOOK」データベースより)
    フリーターの瑞希は、テレビ番組「解決!超能力捜査班」のプロデューサーである叔母の織江から、霊能力者・エステラの通訳を任された。収録日、エステラの霊視通りに行動した番組スタッフは、廃墟ビルから白骨死体を発見する。過去のトラウマから霊能力を毛嫌いしている瑞希は「霊視も死体もヤラセなのでは?」と疑いを抱きつつ、生放送本番に臨むが…。第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞第一作。

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    小気味良いテンポで進んでいく会話がとても読みやすく、内容も僕の好きなミステリホラーテイストだったので楽しく読めました。
    ストーリーは、現代に生きる主人公の通訳師と霊能力者の話と、中国の奥で生まれ育ち、日本に金を稼ぐ為に密入国してくる兄妹の話に細かく分かれていて、単元ごとに場面が交互に変わります。
    最初全く交わる事がなかった二つのストーリーがクライマックスでようやく一つに結ばれる時、この話で最大の恐怖と見せ所がやってきました。
    内容もとても面白く、構成もここまで徹底して2点進行なものは珍しくて、終始楽しんで読めました。
    1点気になる事を上げるとしたら主人公の内側の性格が圧倒的に悪い!見た目は可愛らしいお嬢さんなのですが、驚くほど意固地で、受け入れられない事実には眼を逸らすだけに留まらずとりあえず心の中で誹謗する。何を見ても終始その姿勢が変わらなかったのは凄いです。

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    2007年9月 4日 (火)

    心とろかすような―マサの事件簿

    心とろかすような―マサの事件簿 (創元推理文庫) 出版社/著者からの内容紹介
    著者のデビュー長編『パーフェクト・ブルー』で登場したジャーマン・シェパードの老犬マサと蓮見探偵事務所の面々、それに好青年、諸岡進也……お馴染みの人たちが遭遇する五つの事件。本書はそこに登場する様々な人間たちの実像に真っ向から立ち向かおうとする彼らの活躍が、マサの目を通して語られる、ほろ苦くも心優しい宮部ワールド。

    ■■■
    パーフェクト・ブルーの時はそこまで感じなかったのですが、心とろかすようなのマサの可愛さっぷりはもう凄いを通り越して酷いです(笑)
    犬好き(こと自分の事ですが)が読んだらジャーマンシェパード飼いたくなります。
    あと巻末に宮部氏自身が登場する短編が入っています。宮部さんの作品を数読みましたが、これはどこにも無かった形だったので目新しくてとても面白かったです。
    ただ、「運転うまいね。女性にしてはたいしたもんだ」等、宮部作品にたまに見られるこの手の発言はやっぱりちょっと気になります。
    作者が女性だけにわざわざこんな事キャラクターに言わせなくてもいいのになぁと思わずにはいられません。
    著者の幼少期やOL時代に相当根深く残る事件でもあったんだろうか・・・

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    真相 (上)―“切り裂きジャック”は誰なのか?

    真相 (上)―“切り裂きジャック”は誰なのか? 出版社/著者からの内容紹介
    コーンウェルが真犯人を突きとめた!

    7億円の巨費と現代科学を駆使して迷宮入りの難事件を解明する。

    切り裂きジャックとは、1888年にロンドンの下町イースト・エンドで娼婦を惨殺した連続殺人犯のあだ名である。現在までさまざまな容疑者が指摘されているが、未解決に終わっている。コーンウェルは初めてのノンフィクションにも得意の鋭い推理力を発揮し、ジャックの正体をヴィクトリア朝の画家だと指摘した。彼の絵画を収集して絵の具を分析し、また彼が出したと推定される手紙の紙質を調査して直接証拠の発見に努力している。この事件に賭けたコーンウェルの凄まじい情熱をひしひしと感じる。――仁賀克雄(犯罪研究家)

    ■■■
    検視官シリーズでおなじみのコーンウェルと相原真理子女史のタッグです。
    ジャック・ザ・リッパーは日本の推理小説でも色々な所で扱われる題材で、ミステリ好きにはたまらない匂いがしたのでとりあえず上巻を読んでみました。
    時系列がバラバラの書き方をしているのでちょっとわかり辛い所もあるのですが、概ねジャックの(ジャックだとパトリシアが睨んでいる人物の)周辺状況と幼少期の事はわかりました。
    下巻に向けでどんどん真相に迫っていくんだろうな。
    でもとりあえず今は上巻を読んで少し休みます(笑)。
    いっぺんに読むのはちょっとグロテスクな表現も多く、またもともとの事件が女性軽視の根底から始った犯罪だけに性差概無説を支持する自分としては一冊読み終わって良い具合に胸クソが悪くなりました(苦笑)
    手元に下巻も揃っているので、少し挿んでからゆっくり読みたいと思います。

    因みに上巻だけではまだまだ論拠が揃いません。
    世に出てきた容疑者達の中で特に強く謳われている説を真っ向からキッパリと否定している意味ではとても新しい作品だと思いました。

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    2007年8月 4日 (土)

    Q&A

    Q&A 出版社/著者からの内容紹介
    これからあなたに幾つかの質問をします。
    ここで話したことが外に出ることはありません――。

    2002年2月11日(祝)午後2時過ぎ、都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故発生。死者69名、負傷者116名。未だ事故原因を特定できず――。次々に招喚される大量の被害者、目撃者。しかし食い違う証言。店内のビデオに写っていたものは? 
    立ちこめた謎の臭いは? ぬいぐるみを引きながら歩いてた少女の姿は? はたして、これは事件なのか、それとも単なる事故か? 謎が謎を呼ぶ恩田陸ワールドの真骨頂!

    ■■■
    表紙が怖い!本気で表紙が怖い!!
    ↑の表紙じゃわかりませんが、僕が読んだ版はこっちなんですよ。

    51qk540623l__aa240__4 ←これケッソクヒデキ氏(http://www.kessoku.net/index.html)のイラストなんですが、内容が内容だけに夜中に読んでると開いたページの右手の…表紙が内側に織り込まれてる部分あるじゃないですか、そこにも表紙から続いてイラストが載ってるんですがその部分の人の顔がじーっとこっちを見ていて恐怖!!
    真ん中ぐらいまでは我慢して読んでたんだけど、あまりに気持ちが悪くなってきてそこから手持ちの紙でブックカバー作って覆ってから読みました。

    内容は恩田さんの比較的新しい話だけあって、登場人物の息子二人がテニプリの影響を受けてテニス部に入ってたりします。(恩田さん若いなーと思った)
    あとQ&A形式なのは全体の半分ぐらいで後半はもう普通に会話です。
    会話形式の話は井上夢人氏の「もつれっぱなし」以降久しぶりでしたが、恩田さんだとちょっとスピリチュアル寄りの書き方をするので読んでいて怖い部分が沢山ありました。幽霊の怖さよりも人の怖さ。事件の怖さ。事実のえげつなさ。光の帝国にもそういう描写がありましたが、恩田さんは残酷な話を誇張せずにわかりやすく残酷に書くのが上手いと思います。
    これも芝居にしたら面白いだろうなー。キャスト二人しかいらないし。

    あ、因みに結局事件の原因は判明していません。
    事件の真実を知る話じゃなくて、それに巻き込まれた人々や自分から巻き込まれに行った人々の反応を楽しむ小説です。

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    アクアポリスQ

    アクアポリスQ 出版社 / 著者からの内容紹介
    水没都市Q市の沖合いに浮かぶ人工島「アクアポリス」。この水上都市が建造された背後には、国家規模の陰謀を封じる仕掛けが隠されていた。Q市壊滅のため、伝説の牛鬼を召還しようとする政府の要人たち。その計画を阻止するべく、現われた女設計士「J」、自分の故郷を守ろうと立ち上がる少年「タイチ」。異能の鬼才・津原泰水が近未来を舞台にはじめて挑む本格ビルドゥングスロマン。

    ■■■
    敵の形状や話の持っていき方がエヴァちっく。
    ただエヴァで言うところのシンジ役の主人公タイチがめったやたらにポジティブシンキングで非常に好感が持てました。
    これぐらい主役が前に進むパワーのある子なら、暗くて人の死に合いの多い話でも続きを読む元気がわくんだけどな。
    あと津原さんらしく字面にゆとりがなくて説明の極端に少ない描写です。
    それでも読む人を惹き付けるんだからこれはもう天性だ。
    専門用語(アクアポリス用語)が多くて慣れるまではちょっと読み辛さも…。

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    黙の部屋

    黙の部屋 内容(「BOOK」データベースより)
    執念の画歴調査、緊迫のオークション、戦慄の作品展…一枚の絵に取り憑かれた雑誌編集者がさまよう美術界の闇、サスペンス、炸裂する折原マジック。

    ■■■
    珍しいダブルトリックでした。
    後半になればなるほど相当注意深く読んでないと置いていかれる独走っぷり。でも置いてかれた人から見ると後半相当ダレてきます。
    主人公の持っている情報量と読み手の情報量が違いすぎて主人公の謎解きのゆるやかさにイライラすることも暫し。
    最初の謎である目白勇次については明確な記載の無いまま終了…。オイ!!
    石田黙という実在する画家の存在をとても高く評価し、そこに感銘を受けた著者が書いた熱意は伝わりますが、逆に言うと熱意以外は伝わりませんでした。

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    2007年8月 1日 (水)

    鳩笛草

    鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで
    内容(「BOOK」データベースより)
    他人の心を読むことのできる女性刑事・本田貴子は、その能力ゆえにさまざまな試練に直面し、刑事としての自分の資質を疑ってゆく…。(「鳩笛草」)高校生の妹を殺害された兄に代わって報復の協力を申し出た青木淳子。彼女は、人や物を念じただけで発火させてしまう能力を持っていた…!(「燔祭」)超能力を持つ3人の女性をめぐる3つの物語。

    ■■■

    クロスファイアの登場人物が出てくるクロスファイア以前の話や、それに准ずる超能力を持った女性達の短編集です。
    相変わらず私事全開で書きますが、最初クロスファイアを貸してくれたのが昔居た職場の係長だったんですよ。その係長が「いやー…本当はこれの前の話があってね、そっちから読んでもらいたいんだよ!それを読んだ後にクロスファイアを読んだら本当に泣けるから。でも僕この間その前の本を売っちゃったんだよねぇ。ごめんね、いやー惜しい!」としきりに言うのでどんな内容なんだろうと思いつつも僕はクロスファイアから読んだんですが、それでも充分泣けました。
    その後なんだかんだとこの本と縁が無くて、ここ最近ようやく宮部みゆき氏の現代小説(文庫版)をコンプする最後の作品として読むことになりました。
    クロスファイアの記憶もいい加減ちょっと薄れてきている頃だったんで、係長に申し訳ないなぁと思いながらも(笑)。
    読んでみると確かにこれを先に読んでクロスファイアに行ったら背景がものすごく見えてさぞかし泣きに拍車がかかったろうにと思いました。
    この話がマイノリティに対するメタファーかどうかは受け取り側の感覚でしょうが、超能力がある以外は努めて超現実的な描写が余計にストーリーにリアリティを生むんでしょうね。

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    2007年7月19日 (木)

    蘆屋家の崩壊

    蘆屋家の崩壊 内容(「BOOK」データベースより)
    定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。伯爵の取材に運転手として同行する先々でなぜか遭遇する、身の毛もよだつ怪奇現象。飄々としたふたり旅は、小浜で蘆屋道満の末裔たちに、富士市では赤い巨人の噂に、榛名山では謎めいた狛犬に出迎えられ、やがて、日常世界が幻想地獄に変貌する―。鬼才が彩る妖しの幻想怪奇短篇集

    ■■■
    大学時代に本好きの友人から「この本めちゃくちゃ面白いから読んどいた方がいいよ」と言われて借りて読みました。それから数年後の今、本屋でこの本を見つけた時に確かに読んだ記憶とめちゃくちゃ面白かった記憶はあったのですが、内容が全く思い出せないので改めて自分で買いなおして読み直してみました。

    めちゃくちゃ面白かったです。

    夏のこの季節にピッタリのちょいとした怪奇話。ホラーというより日本の妖怪や魑魅魍魎系が下敷きになっているので怪奇という言葉がピッタリです。
    物凄く安直な例えで申し訳ないんですが、京極夏彦を超軽妙にした感じ。…ん、これはどちらのファンに謝ればいいんだ?両方か。
    主人公猿渡の一人称で始る話ですが、彼の性格がちゃらんぽらんでずぼらで喋る言葉がいちいち的を得ているので、語り口を読んでいるだけでも相当愉快です。
    この登場人物達を使った続きの本があるのなら間違いなく次も読みたくなるクオリティです。

    なんでこの作家さんの事をもうちょっと前に思い出さなかったんだろう。
    後で図書館行って他の本も借りてこよう。

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    1ポンドの悲しみ

    1ポンドの悲しみ 出版社/著者からの内容紹介
    30代女性の恋模様を描いた、優しい短編集
    本好きの人にしか恋ができないOL、夫以外の男性にときめく妻、いつ同棲が終わってもいいように準備をしているカップル。女性の切ない恋愛模様を描いた傑作短編集。(解説/藤田香織)

    ■■■
    確かにちょっとビックリするほど優しい恋愛模様でした。
    前回の恋愛短編集スローグッドバイも相当優しかったですが、今回は登場人物達の年齢層が上がったせいか前回に輪をかけて優しかったです。(何この感想…)
    僕は普段恋愛物は本当に読まないので、石田さんの作品ぐらいでしか恋愛作品に触れる機会はないけれど、これだけ解りやすく恋愛音痴にも「ああこれが恋をしているときのドキドキの醍醐味なんだ」と理解できる書き方で、しかも全作かなりお洒落に書いてもらえるとたまにこの辺のジャンルを読むのも認識が変わって良いものだな、と思いました。

    石田さんは色々な所で“本を読まない人が読む作家”と言われていますが、なるほど、これだけ手軽でかつ面白ければ確かに普段本を読まない人でも読みたくなるんじゃないでしょうか。

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    2007年6月23日 (土)

    感染

    感染 内容(「BOOK」データベースより)
    ウィルス研究医・仲沢葉月は、ある晩、未来を嘱望されている外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。幼子は焼死体で発見されるという最悪の事件となったにもかかわらず、啓介は女からの呼び出しに出かけていったきり音信不通。痛み戸惑う気持ちで夫の行方を捜すうち、彼女は続発する幼児誘拐殺人事件の意外な共通点と、医学界を揺るがす危険な策謀に辿り着く―。医学ジャーナリストが描く、迫真の医療サスペンス!第一回小学館文庫小説賞受賞作。

    ■■■
    大筋が主人公の落ち込み日記の印象。
    何かを自発的に探ろうと前向きにはなるけれど、一個調べては落ち込み二個知っては哀しむのが見ていて痛ましい。主人公に同調すると怒りでだんだん疲れてきました。
    立場も頭も悪くない女性が主人公ですが、格好良い女性になれる要素がふんだんにあるだけに物語の最後の方まで右往左往しながら一番要領の悪い選択を選んでいくのが見ていて歯がゆい思いです。
    夫にあれだけ傷つけられながらも土壇場で夫が弱みを見せると今までの苦渋が嘘のように彼を加護し、信頼し始める図はいっそ哀れですらありました。
    女性作者がこの手のおめでたい女性主人公を書いているのが少し残念です。

    主人公の性格に絡む深いトラウマ的部分をストーリー中盤に差し掛かっていきなり(しかもサラッと数行だけ)書いてあったのに驚きました。
    もっと最初の方に大仰に書かないと中盤に入って主人公の背景が薄いことに気づいたから仕方なく取って付けただけのエピソードのような印象しか持てません。

    全体を通してこれだけ主人公に思い入れをして悔しく思いながらも読んでいたので、文章はとても読みやすいし小説として成り立った話しだと思うのですが、ひとえに主人公の性格と僕の気質が合わなかったんだろうな…と。

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    2007年6月22日 (金)

    魔術はささやく

    魔術はささやく 内容(「BOOK」データベースより)
    それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた…。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。

    ■■■
    実は随分前に一度読んで、今回二度目の読破だったんですが、色々忘れていて曖昧だった部分や流して読んでいた部分を補えて面白かったです。
    後の模倣犯に出てくる塚田真一少年はこの話の主役日下守をモチーフに作られたのだろうなと思いました。
    めずらしく警察が全く出てこないミステリです。
    ストーリーの骨組みが随分リアルなのに対してオチはサブリミナルと催眠術という凡そ一般的でないものを使っているのも珍しくて楽しく読めました。
    この辺の大作で力をつけていき模倣犯へのベクトルが定まったのだなと考えると、この本や火車、理由などの印象がまた少し変わった気がします。

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    淋しい狩人

    淋しい狩人 内容(「BOOK」データベースより)
    東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挾まれていた名刺。父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。ブッキッシュな連作短編集。

    ■■■
    ミステリ小説の主人公がおじいちゃんとその孫という取り合わせ自体が非常にめずらしく、心温まるほのぼのストーリーの枠も充分に満たしている小説でした。
    最後の方にいけば行くほど二人の心の距離が開いてしまい、最後にまた自然と戻ってくる(戻ってくる予感を残して終わる?)書き方は『今夜は眠れない』『夢にも思わない』この両シリーズの雅男と島崎を彷彿させられます。
    おじいちゃんだからこその距離感で事件と対峙していくので、解かなければいけない謎は解き、解かなくていい謎は心の中にしまっておくスタンスがとても新鮮でした。
    できれば続きを書いてほしい。その後が気になる一冊です。

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    2007年6月21日 (木)

    我らが隣人の犯罪

    我らが隣人の犯罪 内容(「BOOK」データベースより)
    僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。表題作以下5篇収録。

    ■■■
    長編も短編も上手い宮部さん。相変わらず面白いです。
    短編が5個も入っているとたいがいネガティブな話が1個ぐらいはあるものですが、この本は全編通してコミカルに読めました。
    人工授精で産まれた少年が主人公の「この子誰の子」にしても、物悲しさや悲壮感は無く、根底に見えるのは希望です。
    こういう話をサラッと重くすることなく書けてしまうのがこの作者の凄い所。

    宮部作品は歴史物を除いたらそろそろ読みつくしてきた感があり、未読本の列に終わりが見えているのがなんだか寂しさすら感じます。

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    神はサイコロを振らない

    神はサイコロを振らない 内容(「BOOK」データベースより)
    かつて、忽然と消息を絶った報和航空四〇二便YS‐11機が突如、羽田空港に帰還した。しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は十年前を指したまま…。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは―。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。

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    ドラマを数回だけ見て結局最終回を観はぐれた為、小説で読んでみる気になった話でしたが、ドラマを念頭に置くと登場人物の名前以外もう全く違うんですね。
    設定として少しづつリンクしてる部分もあるのですが、ぼくが一番気になった主人公(?)達の話が一番安易で面白くなかった気がします。
    まず主人公の性別からして違うしなー…
    登場人物が多すぎて書き手が手を広げすぎたまま立ち往生してる感も否めませんでした。ザッピングシステムは好きな方ですがこれは書き方がやや荒い気がします。
    ドラマのEDが気になって本を読んだけど、あまりにキャラクターが違いすぎて改めてドラマのEDを観たくなりました。
    題材はメチャクチャ面白そうなだけに残念…

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    魔王

    魔王 出版社 / 著者からの内容紹介
    「小説の力」を証明する興奮と感動の新文学
    不思議な力を身につけた男が大衆を扇動する政治家と対決する「魔王」と、静謐な感動をよぶ「呼吸」。別々の作品ながら対をなし、新しい文学世界を創造した傑作!

    ■■■
    実はこの小説と一つ前の死神の精度という小説は同時期に入手していて、どちらを先に読むか非常に迷った末に死神の方から読んだのですが、この選択がこんなに大当たりだと思いませんでした。
    互換性としては死神の精度に出ていた死神が魔王の主人公を調査する…という非常に単純な絡み方をしているだけなのですが、この“死神”の性質がちゃんと本一冊を読んで理解したうえでないとえらく自分の中に残りそうな描かれ方だったんですよ。

    魔王に出てくる兄弟はどことなく重力ピエロの兄弟と似ている気がします。そしてどちらも非常に清々しく仲のいい兄弟です。作者が描く男兄弟の理想図がこれに近い形なのかもしれません。
    この話は謎が全然…本当に1個も解かれていない謎だらけの話なので、死神の精度みたいに他の伊坂作品にも登場している(もしくはこれからしてくる?)人がいるのかもしれない。それを期待しながらこの人の他の話を読んでいくのも楽しそうだなと思いました。

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    死神の精度

    死神の精度 内容(「MARC」データベースより)
    「俺が仕事をするといつも降るんだ」 クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語。音楽を愛する死神の前で繰り広げられる人間模様。『オール読物』等掲載を単行本化。

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    ページも少なくかなりライトな気持ちで読める本でした。
    と言っても伊坂氏の本で重い気持ちじゃないと読めない本はなかなか少ない気もしますが…。
    死神の人間感の無さ具合とたまにとぼける感じがとてもコミカルなんだけど、人の死に対してはやっぱり哀しいぐらいドライでそのギャップに戸惑う事も暫し。
    あと1話目に死ぬ予定だった人生に疲れた女性が最終話で歌姫になっていたり、4話目に出てきた主人公の想い人が最終話の主役だったりと僕の好きな原点回帰物だったのが嬉しかったです。
    全体を通してぐっと読み込める話と言うよりはオムニバス形式で小話を楽しむ感じで良い時間つぶしになりました。

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    2007年6月 1日 (金)

    長い長い殺人

    長い長い殺人 内容(「BOOK」データベースより)
    金は天下のまわりもの。財布の中で現金は、きれいな金も汚ない金も、みな同じ顔をして収まっている。しかし、財布の気持ちになれば、話は別だ。持ち主の懐ろに入っている財布は、持ち主のすることなすことすべて知っているし、その中身の素性もお見通しである。刑事の財布、強請屋の財布、少年の財布、探偵の財布、目撃者の財布、死者の財布、証人の財布、犯人の財布等等―十個の財布が物語る持ち主の行動、現金の動きが、意表をついた重大事件をあぶりだす。

    ■■■
    財布という無機物を視点にしてここまで面白い物語が書けるのか!と脱帽しました。
    最初10編あるのでバラバラのオムニバスかなと思ったんですが、一個の長い長い殺人(今考えたらタイトルを見た時点で気付くべきだった)を財布たちの目線で追った長編小説でした。
    一組の男女が関わった殺人事件、死体の数は4つ。主たる登場人物の数は10名。財布の数もぴったり10個。
    登場人物たち本人がこの物語を語っていないぶん財布たちがすこし自由の利かない第三者目線で物語を進めていくのですが、犯人や刑事などの心の中が全く見えないわその癖おこなった行動は逐一描かれているわで不気味さと後からくる納得が読んでいて凄く心地良かったです。
    全体的に砕けていて単元ごとにサクッと読めるので、ミステリをあまり読んだ事が無い人にも楽しめる一冊だと思います。

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    2007年5月30日 (水)

    アクアリウムの夜

    アクアリウムの夜 内容(「BOOK」データベースより)
    春の土曜日の昼下がり、親友の高橋と行った奇妙な見世物、“カメラ・オブスキュラ”。そこに映し出された水族館には、絶対にあるはずのない、地下への階段が存在した。恋人の良子に誘われて試したこっくりさんは不気味に告げる―「チカニハイルナタレカヒトリハシヌ」!“霊界ラジオ”から聴こえてくる謎めいたメッセージに導かれ、ぼくたち3人のせつなく、残酷な1年が始まる。伝説の青春ホラー・ノベル、待望の文庫化。

    ■■■
    このブログ初のライトノベルです。そして自分の読本歴の中でも数年ぶり…下手すると10年ぶりぐらいのライトノベル。
    僕は夕闇通り探検隊 というゲームがやたらに好きなんですが、そのファンサイトで「夕闇が好きならこの小説が似たような雰囲気を持っていてオススメです」って書いてあるのを見て読んでみました。
    確かに夕闇通り探検隊の雰囲気はあるんですが、文章構築能力の低い人が頑張ってノスタルジックな文章を書いた感がどうにも拭えない一品です。
    「まさかあんな事になるとはその時のぼくには想像もつかなかった」これに近い一文が単元の終わりごとにこれでもかって程に書かれていて、どんだけの話の顛末が後回しにされたことか…。
    でも最後には謎は一個も解けません。
    主人公の目から見た状況説明を焦らしながらし続けた上で、最後はこんな不思議な事がいっぱいおきる青春時代も…いいよね!ってことで纏められた感じでした。
    書きたい事の芯がちゃんと通っていればもっと雑多な感じはしなかったし、むしろこの世界観は好きだっただけに色々と残念。

    余談ですが、最後解説を篠田真由美女史が書いてるんですが、作品に陶酔しすぎてこうなったのか若しくは丸投げしちゃったのか、どちらとも取れる文章でこの本の中で一番笑えました(笑)

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    2007年5月23日 (水)

    押入れのちよ

    押入れのちよ 内容(「MARC」データベースより)
    今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。

    ■■■
    「押入れのちよ」「木下闇」「しんちゃんの自転車」は目に見えて好みな話で面白かったんですが、それ以外は特筆すべき物は無いかも。
    全編通して“死”か“幽霊”のからむ話でした。
    荻原さんは短編よりわりと重めの長編をちょっとしたジョークを交えて書いてた話の方が好きみたいです。

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    2007年5月20日 (日)

    びっくり館の殺人

    びっくり館の殺人 内容(「BOOK」データベースより)
    とある古書店で、たまたま手に取った一冊の推理小説。読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。その瞬間、三知也の心に呼び起こされる遠い日の思い出…。三知也が小学校六年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、「リリカの部屋」で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に!あれから十年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが…。

    ■■■
    暗黒館の殺人 から待望の館シリーズ新作。今回は子供向けノベライズということでサクサク読ませて頂きました。
    相変わらずの綾辻氏のおどろおどろしい雰囲気はそのままに手軽で読み易いまとまり方をしていて面白かったです。
    でもこれ本当に子供に向けて読ませたら表紙と挿絵のあまりの恐ろしさに読み進める事なんてできないんじゃないかって程に絵がリアルで怖い。これでもか!?ってぐらいに絵が怖い…(2回言う程怖い)さすが綾辻氏。どんな場面でもミステリの中にホラー要素は忘れないんだなぁと。
    個人的には最後、事件の真相を知る登場人物の一人が関東大震災という本当にあった災厄で真相を握ったまま亡くなる設定なのはちょっとミステリ作品においてはずるいんじゃないかな…とも思いました。

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    2007年5月18日 (金)

    理由

    理由 内容(「BOOK」データベースより)
    事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。

    ■■■
    文章の書き方が普段の宮部さんと違い、事件が全部片付いた後にルポルタージュ形式で書かれているのが新鮮でした。
    最初はそれに気付かず読んでいて、やけにドキュメンタリーみたいな構成だなぁと戸惑っていたのですが、慣れるとすんなりと面白く読めると思います。

    相変わらず宮部作品は読み手をストーリーに惹きつける力は抜群で、物語の鍵を握る人物の一人である綾子が登場する辺りからは色々な箇所に喜怒哀楽しながら怒涛の勢いで読み終わってしまいました。

    ただ、(こういうキャラクターは宮部さんの本にはたびたび出てくるのですが)現代日本のとりわけ若い人の持つ感性からはあまり想像がつき難い、昔気質な…良くも悪くも一途だったり頑固だったり夢見がちだったりするキャラクターが今回はことさら多く出てきたので、そこに同調したり思いを馳せてみる事が難しかった事。
    もう一つ、これは完全に個人的な感想なのですが、アニメやゲーム・漫画や小説が大好きで育ってきた自分としては、登場人物の一人の考え方で「現実の人間を殺す事は大変なことだが、製作者達がつけたもっともらしい経歴を持つだけのアニメ絵のキャラクターを同じように扱う事は“平気”なこと。スイッチ一つ押せば消えるペラペラな存在」と評した事にはどうにも切ない思いがこみ上げてきました。

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    2007年5月17日 (木)

    終末のフール

    終末のフール 出版社 / 著者からの内容紹介
    あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。
    2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。

    ■■■
    初めて図書館で借りて読んで以来、この1年間に合計3回読みました。
    普段あんまり小説を読み直すとかはしないんですが、この本はふとした時に読みたくなります。
    あと3年で人類が滅亡する世界で人々は何をするか。
    混沌とした世の中は終わり気の小さい人や不運な人はだいたい死に絶えた後の話です。
    現実を受け入れて3年間をどう生きるか模索しながら生きている人たちに焦点を絞った8作品。
    重力ピエロの時にも思いましたが、伊坂氏の話には本当に納得したり、涙が出そうになるほど胸にくるフレーズが沢山出てきます。
    なんかちょっと毎日が退屈だなぁ…って思った時に読むと一番ガツンとくるんじゃないかな。僕もまたそういう時に読み直そう。

    関係あるようで無いような事だけど終末の過ごし方を久しぶりにやりたくなりました。

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    重力ピエロ

    重力ピエロ 内容(「Amazon.co.jp」データベースより)
       半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。

    ■■■
    遺伝子DNAや二重螺旋が話の核になっていて少し複雑な感じがするけども、導入も入りやすく主人公や春、二人の母親、父親、春を追いかける整形美人のストーカーなど登場人物も現実に居なさそうで居そうな微妙なバランスが非常に魅力的でした。
    伊坂さんは今の所ハズレがないなぁ。軽く読めるくせに読後もずっしりと心に残るのが凄い。文体がお洒落でユーモアな所も魅力です。
    「深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」この春の台詞にはとても納得させられました。

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    2007年5月14日 (月)

    天使の囀り

    天使の囀り 内容(「BOOK」データベースより)
    北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。

    ■■■
    数年前、初めて黒い家を読んだときに「あ、自分はこちら側の方がより怖く感じるタイプなんだな」と自覚しました。
    僕はホラーを読む時に“こちら側とあちら側”のどちらの話なのかを結構重要視します。
    ホラーの中でも人的な事が原因で巻き起こったいざこざが“こちら側”で、人に在らざるもの…いわゆる霊的な事が起因して物語が進む話が“あちら側”だと(勝手に)振り分けて読んでいるのですが、その中でも自分が特に怖さを感じるのはまぎれもなくこちら側の話です。これについては弟切草とかまいたちの夜のどちらがより怖く感じたか…というのがわかり易い判断基準だとひそかに思っているのですが、ゲームの話はまた違う場所で(笑)
    勿論どちらもそれ相応に面白いのですが、貴志氏の話はこちら側をベースにかなり専門的な所まで突っ込んで勉強してから書かれたのが感じられて読んでいると本当にうすら寒さを感じます(ホラーに対する誉め言葉です)
    あと今回の話は本当に救いが少なくて読んだあとグッタリとした虚脱感を覚えました。
    ホラーはそれが普通だって頭では解ってるんですがミステリを読んだあとに読むとなかなかに衝撃的ですね。
    虫嫌いとかは別にないんだけど暫くは蜘蛛が怖くなりそうです。

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    2007年5月 9日 (水)

    月の裏側

    月の裏側 内容(「BOOK」データベースより)
    九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは“人間もどき”の存在に気づく…。

    ■■■
    いつも「個」が「多」にいつの間にやら支配されていく話はそれが村や町単位であればあるほどゾクゾクしながら読みます(笑)
    ただこれは屍鬼みたいなのを想像しながら読んでいただけにちょっとあれ?と思うこともしばしば。
    なるほど、屍鬼はマイノリティと戦い排除する方向に動いたけれどこの本の住人達は取り込まれて同化する方に進んだのか。ちょっと意外な結果でした。
    読後「じゃあ一回図書館で敵が撤退した訳は?」とか「多聞は結局どっちだったんだろう」とか「街の人が消えた最初の数日間も“すでに盗まれた人々”は本当に息を潜めて暮らしていたんだろうか」とか色々不思議な気持ちが残るのであまりスッキリは出来なかったり…
    あと「男はこうで女はこうだ」的なジェンダー観念が何度も書かれているのも少し目に付きました。

    恩田さんの話はとっつき易いんだけど光の帝国―常野物語 以来目に見えた大当たりは無いなあ。

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    屍鬼

    屍鬼〈1〉 内容(「BOOK」データベースより)
    人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われた夏、悲劇は唐突に幕を開けた。山深い集落で発見された三体の腐乱死体。周りには無数の肉片が、まるで獣が蹂躪したかのように散乱していた―。闇夜をついて越して来た謎の家族は、連続する不審死とどう関わっているのか。殺人か、未知の疫病か、それとも…。超弩級の恐怖が夜の帳を侵食し始めた。

    ■■■
    黒祠の島で使ったモチーフを焼きなおして盛大に使った感じの作品。
    良いですね、この小野さんお得意のホラーとミステリが6:4ぐらいで交じってる雰囲気大好きです(笑)
    これは僕の大好きなホラーゲームSIRENが参考にしたと言われている小説なのですが、古くはジャック・フィニィの盗まれた街のような一個のコミュニティ単位で人が人在らざるものにひっそりとすり返られていく様と、それにいち早く気付いた人が対抗したり原因を究明したり逃げたりする過程を追った話です。
    最後若御院とお医者とどちらの側に立って読むかでエンディングの捕らえ方が変わりますが、自分としては理性はお医者側だったなぁ…
    最後に一筋の救いはある話ですが、たいがいが辛く哀しい話でそこも含めて途方も無く面白かったです。
    こんなに辛くて哀しいのにこんなに面白かった話は模倣犯以来久しぶりでした。

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    歌舞伎町案内人Ⅱ

    歌舞伎町案内人 2 (2) 出版社/著者からの内容紹介
    日本人の知らない歌舞伎町の姿を克明に描き出す、衝撃のノンフィクション!
    いまや夜の歌舞伎町で最も有名な中国人となった元祖「案内人」、李小牧。あらゆる欲望の聖地と化した歌舞伎町のバックストリートで、いま何が起きているのか。真実はこの男の告白の中にある--。

    ■■■
    一作目に続き僕の東京シンドロームを発病させられる作品でした。
    ただ書き方の問題かもしれないけれど、一作目よりちょっとクセやらアクやらが強く書かれているのが少し気になったり…。この世界観の現状やその後や自分の知らないアンダーグラウンドは確かに知りたいけども、この著者の口から聞くのはもう別にいっかな。と思わせるような変化がありました。
    莉莉さんとはその後も上手くいってるのかな?

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    人質カノン

    人質カノン 内容(「BOOK」データベースより)
    「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、タクシーの女性ドライバーが遠大な殺人計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。

    ■■■
    相変わらず短編も長編ももれなく全部読みやすくて面白い宮部さんです。この人の量産かつクオリティの高さはどこから出てくるんだろう…
    これ読んでいる時に「あれ、なんか見たことある話だなぁ…なんか読んだ事あるなぁ…うわオチまで全部記憶と一緒だ!おっかしいなぁ~…」と思ってたんですが、よくよく考えてみると一昨年東京から帰って来る時に羽田の空港で時間を持て余して全部立ち読みしていた本でした。
    確かに薄い本とはいえ一冊立ち読みし終わるってどんだけ時間を持て余してたんだろう。
    内容としては「十年計画」が特に好きでした。
    このタクシードライバーのおばちゃんについてはハマリ役だと思える役者さんが居るんで機会があったら声かけてみたいと…ひそかに思ってます。

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    もつれっぱなし

    もつれっぱなし 内容(「BOOK」データベースより)
    「…あたしね」「うん」「宇宙人みつけたの」「…」。男女の会話だけで構成される6篇の連作編篇集。宇宙人、四十四年後、呪い、狼男、幽霊、嘘。厄介な話を証明しようとするものの、ことごとく男女の会話はもつれにもつれ―。エンタテインメントの新境地を拓きつづけた著者の、圧倒的小説世界の到達点。

    ■■■
    会話だけで進行する台本形式の本なので、芝居のちょっとしたネタになるかなーと思って買ってみたのですが…うーん困った。苦手だぞ。
    「男女の会話」ってのが話のミソでしたね。純粋にいいなぁ…って思えるストーリーもあったんですが、概ね最後は痴情に流れて終わり。さすがもつれっぱなし。一切もつれねえ話が無い。
    や、まぁもつれるのはいいんですが、ゴタゴタした話を一緒くたに抱いて慰めるとか恋愛に持ってってうやむやにするとかの手法で終わらせられるのが苦手なので、あんまり面白くは感じませんでした。

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    2007年5月 8日 (火)

    夢にも思わない

    ̴?ˤ⻗?金??内容(「BOOK」データベースより)
    毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという、そんな風流な催しに、僕が行く気になったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。毎年家族で訪れているというクドウさんと偶然を装って会うはずだった。それなのに…。―殺されたのはクドウさんの従姉だった。事件は思いがけない方向に進んでいき無責任な噂があとを絶たない。僕は親友の島崎と真相究明にのりだした。大好きな彼女は僕が守る。

    ■■■
    今夜は眠れないの頃から常々“小中学校の頃にもし二人が出会っていたら…”というパラレルワールド的世界での島崎=火村で緒方=アリスだなあと思っていたんですが、今回もその印象は変わらずでした。
    ただ島崎が成長した暁に火村になるにはちょっとナンパすぎるかも・・・。
    でも中学生なのに最早立派に「人を殺したいと思った事がある」感じの底の知れない少年に育っている辺りは両作品を知っている方ならきっとほくそ笑んで頂けると思います(笑)

    ストーリーとしては少女売買や処刑など大人向けのモチーフと初恋や親友との齟齬などのジュニア向けのモチーフが入り乱れてます。
    この辺が中学生をターゲットにした感じなのかな?
    うーん…このシリーズは変に大人びないで前作ぐらいの土俵でもっと伸び伸び動いてくれた方が面白いかも。
    個人的にはジッタリンジンや聖飢魔Ⅱやたまなど“時代”を感じられる台詞がポンポン飛び交うのも懐かしくて好きな部分です。

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    the TEAM

    the TEAM 出版社 / 著者からの内容紹介
    人気霊能者の陰で〈彼ら〉が大活躍!?
    盲目で難聴の人気霊導師、能城あや子。百発百中の"霊視"を支えるのは、彼女の仲間たちだった。過去の事件の真相や、不思議な現象の真実を次から次へと暴き出す! 極上ユーモアミステリ集。

    ■■■
    文章が現代口語系なので読みやすくテンポが良い作品でした。
    登場人物達の引き際と作品の終わり方が非常に良い形でリンクしていて本を閉じさせるタイミングが絶妙。
    続きが出るなら是非とも読んでみたい一冊です。

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    歌舞伎町案内人

    歌舞伎町案内人 内容(「BOOK」データベースより)
    アジア最大の歓楽街、新宿歌舞伎町。飲食店と風俗店がひしめき合い、ヤクザと中国マフィアが暗躍するこの欲望と狂気の街に、李小牧は十四年間立ち続けている。日本語、北京語、広東語、湖南語を自在に操るこの男の職業は「案内人」。ヤクザを後ろ盾に、刑事を友に、変貌を続ける歌舞伎町地下社会を驚異的なしぶとさで生き抜いてきた李が明らかにする真実とは!?衝撃のノンフィクション。

    ■■■
    ずっと前に某番組で見てから気にはなっていた本。
    ながらで見てたからタイトルやら著者名やら忘れてしまってなかなか手に取るまでが長かったのですが、この間歌舞伎町案内人2を見つけたのを機に両方買ってしまいました。
    元々新宿が好きなので「東京」やら「新宿」(近辺の)付くタイトルの話はそれだけでワクワクしてしまうのですが、普段生活していたら見る事の出来ない歌舞伎町アンダーグラウンドの話山盛りでかなり楽しめました。
    目線が日本人じゃなく日本に来ている中国人っていうのがまた面白い。
    安全な位置からモメゴトを見るのが大好きな人にお勧め。

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    2007年1月19日 (金)

    テストその2

    テストです。

    只今送り火 消化中。

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